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マネーフォワード クラウド請求書を建設業で使う|料金・使い方・注意点

建設会社がマネーフォワード クラウド請求書で見積書から請求書を作成・送付し、入金をクラウド会計と連携して管理する方法を解説する記事のアイキャッチ

元請けへの請求書を月末にExcelで作り、印刷して封筒に入れ、翌月は通帳を見ながら入金を1件ずつ照合する。この作業が毎月半日以上かかっているなら、請求書作成ソフトへの切り替えを検討する時期です。マネーフォワード クラウド請求書は、個人・中小企業向けの請求書作成ソフトとして、見積書から請求書・領収書の作成、メールや郵送での送付、入金の記録、クラウド会計への仕訳連携までをひとつの流れにまとめられます。

この記事では、建設会社がマネーフォワード クラウド請求書を使うときに知っておきたいことを、公式ヘルプを根拠に整理しました。名前の似た4製品の違いと選び方、料金プランと無料トライアル、初期設定から発行までの手順、出来高請求や前受金・人工代の書き方、クラウド会計と連携した入金消込、そして導入でつまずきやすい設定の落とし穴まで、できることとできないことを分けて解説します。

読み終えたら、進行中の工事1件を題材に、トライアルで見積書を1枚作って請求書に変換するところまで試してみてください。設定の抜けはその1件で見つかります。

※ 本記事に記載している料金・機能は2026年9月時点の公式サイト・公式ヘルプにもとづきます。最新の内容はマネーフォワード公式サイトをご確認ください。

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目次

マネーフォワード クラウド請求書とは:建設会社が押さえる製品の位置づけ

クラウド請求書・請求書Plus・請求書発行・債務支払の4製品を対象規模と用途で並べた4カラム図

「マネーフォワードの請求書」と検索して出てくる製品は、実は1つではありません。クラウド請求書、クラウド請求書Plus、クラウド請求書発行、クラウド債務支払と、名前の似た4つのサービスが並んでいます。数名から数十名規模の建設会社が候補にするのはどれか、最初に整理しておきましょう。

名前の似た4製品はどう違うのか

公式サイトのサービス一覧では、4製品が次のように位置づけられています(出典:マネーフォワード クラウド請求書 公式サイトほか各製品ページ)。

製品名公式の位置づけ建設会社での役割
クラウド請求書個人・中小企業向け請求書作成ソフト元請けや施主に出す見積書・納品書・請求書・領収書を作る(発行側)
クラウド請求書Plus中堅〜上場企業向けの請求管理システム承認フロー・案件管理・分割請求まで必要な規模の会社向け
クラウド請求書発行中堅・大企業向け請求書発行システム(旧クラウドインボイス)基幹システムを残したまま発行だけ電子化したい会社向け
クラウド債務支払従業員51名以上が目安の債務管理システム協力会社から受け取った請求書の承認・支払管理(受領側)

この記事で扱うのは1つ目のクラウド請求書です。以下、単に「クラウド請求書」と書いたときはこの製品を指します。

数名〜数十名の建設会社が使うのはどれか

請求書を出す側の業務であれば、クラウド請求書が基本の選択肢になります。公式FAQでも、クラウド請求書は「見積書・納品書・請求書・領収書といった帳票の作成・送付や、受領状況の管理に特化したサービス」、クラウド請求書Plusは「債権管理業務までカバーできるサービス」と切り分けられています。Plusでは分割請求書のワンクリック作成や承認フローが使える一方、納品書や領収書は作成できません(出典:マネーフォワード クラウド請求書Plus サポート「『マネーフォワード クラウド請求書』との違いを教えてください。」)。

工務店や設備工事会社のように、見積書を出して受注し、完成後に請求書と領収書を出す流れが多い会社は、帳票の種類がそろっているクラウド請求書のほうが実務に合います。逆に、社内に複数段階の承認が必要だったり、1件の契約を何回にも分けて請求する案件が多いなら、Plusの資料も並べて検討する価値があります。

建設業向けにできること・できないこと

クラウド請求書は請求書作成ソフトであって、工事管理ソフトではありません。ここを誤解して導入すると「思っていたのと違う」となりがちなので、公式の機能一覧とヘルプで確認できる範囲で、先に線を引いておきます。

  • できること: 見積書から請求書への変換、メール送付と郵送代行、毎月の定期請求、入金の記録、インボイス制度と電子帳簿保存法への対応、クラウド会計への仕訳連携
  • できないこと: 工事台帳の自動作成、工事別の原価集計や粗利管理、実行予算との比較、出来高(部分請求)を自動で分割する機能、社内承認ワークフロー

工事ごとの粗利まで見たい会社は、クラウド請求書を「請求と会計の入口」と割り切り、原価側は別のしくみで持つ設計になります。この点は記事の後半で改めて触れます。

クラウド請求書の料金プランと無料トライアル:建設会社の規模別の選び方

ひとり法人2,480円・スモールビジネス4,480円・ビジネス6,480円の3プランを利用人数とあわせて示した料金比較表

料金は2026年9月時点の公式料金ページにもとづきます。表示はすべて税抜です。クラウド請求書だけを単体で契約する形ではなく、会計や経費などを含む「マネーフォワード クラウド」のプランとして契約します。公式ページでも「クラウド請求書を含む12サービス」を初期費用0円で使えると案内されています(出典:マネーフォワード クラウド請求書「中小企業向け料金プラン」)。

法人向けプランの比較

プラン公式の目安年払い(月額換算)月払い請求書・会計を使える人数
ひとり法人新設法人1年目・経営者1名2,480円3,980円1名
スモールビジネス小規模企業・利用者3名以下4,480円5,980円3名
ビジネス中小企業・利用者4名以上6,480円7,980円3名+4名以上は1名300円

ひとり法人プランには2つの制限があります。管理コンソールに登録するユーザーが士業アカウントを除いて1名の場合に限り契約できることと、クラウド会計の仕訳数が1会計年度500件までという上限です。社長1人で回している会社でも、材料の仕入れや外注費の支払いが多いと仕訳500件は意外と早く到達するので、スモールビジネスから始めるほうが安全です。

建設会社で現実的なのは、事務担当と社長、現場責任者の3人で使うスモールビジネスプランか、複数の現場監督が見積書を作るビジネスプランのどちらかです。一括メール送信や回収消込表など、いくつかの機能はビジネスプランと個人向け上位プランに限られるため、請求件数が月に数十件を超える会社はビジネスプランを前提に考えたほうが後で困りません。他社の請求書ソフトと横並びで比べたい場合は、建設業向け請求書ソフトの比較記事で発行・電子化特化型、受領・支払管理型、工事原価・収支管理型の3タイプに分けて整理しています。

個人事業主・一人親方向けプラン

一人親方や個人事業の工務店には、個人事業主向けのプランがあります(出典:マネーフォワード クラウド請求書「個人事業主/副業向け料金プラン」)。

プラン年払い(月額換算)月払い主な違い
パーソナルミニ900円1,280円取引先の登録15件まで、毎月自動作成なし
パーソナル1,280円1,680円取引先無制限、毎月自動作成、一括郵送・一括メール送信あり
パーソナルプラス2,980円(年払いのみ)なし電話サポート付き

元請けが数社に固定されている一人親方ならパーソナルミニでも足りますが、毎月同じ元請けに常用の人工代を請求する働き方なら、毎月自動作成が使えるパーソナル以上を選ぶと月初の手間が変わります。

1か月の無料トライアルと注意点

トライアルは1か月で、クレジットカードの登録は不要、終了後に自動で有料プランに移ることもありません。作成したデータはトライアル後も引き継がれます。利用できるのは過去に有償契約の履歴がない事業者につき1回で、試せる機能は法人がビジネスプラン相当、個人事業主がパーソナルプラン相当です(出典:マネーフォワード クラウド サポート「1ヶ月無料トライアルについて」)。

ただしトライアル中は、請求書の郵送代行、カード決済機能、デジタルインボイスの送信、31件以上のメール送信が使えません。郵送代行を試したい会社は、トライアルでは操作画面の確認までにとどめ、本契約後に少量で試す前提で計画してください。

建設業の請求業務で使う主な機能

作る(見積書→請求書→領収書)・送る(メール・郵送代行)・回収を追う(入金ステータス)の3機能を並べた図

クラウド請求書の機能は多いのですが、建設会社の請求業務で実際に使うのは「作る」「送る」「回収を追う」の3つの場面に集約されます。以下この章で挙げる機能の仕様は、公式サイトの機能一覧と各機能のサポートページで確認できる範囲にもとづきます。

見積書・納品書・請求書・領収書をひとつの流れで作る

見積書を作ると、そこから納品書・請求書・発注書・検収書へ変換でき、請求書からは領収書も作れます。変換時には帳票番号と日付(請求日・支払期限)が新しく設定され、明細や取引先情報はそのまま引き継がれます。見積書の金額をExcelから請求書に打ち直す作業がなくなるので、桁の打ち間違いや消費税の計算違いを構造的に防げます。

請求書のテンプレートには「スタイリッシュ」「シンプル」「スタンダード」の系統があり、シンプルとスタンダードには繰越欄付の型があります。前回請求額・入金額・今回請求額を1枚に示す繰越欄は、継続取引の元請けに毎月請求する会社では重宝します。自社ロゴと印影はJPEG・PNG・GIFで登録できますが、位置や大きさの調整はできず、登録前に作った帳票には反映されません。

送付:メール送付と郵送代行

メール送付は、PDFを添付する方式ではなく、取引先がダウンロードURLから帳票を開く方式です。CCは半角カンマ区切りで最大10件まで入れられるので、元請けの担当者と経理の両方に同時に届けられます。

紙で欲しいと言われる元請けや施主には郵送代行が使えます。料金は1通あたり210円(税抜)で、作成した帳票を普通郵便で発送してくれる仕組みです(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「『郵送代行』機能の料金はいくらですか?」)。切手代と封筒代、事務員が郵便局に行く時間を考えると、月に十数通の会社でも十分に元が取れる水準です。締め時間や到着日数の考え方は、記事後半の注意点で詳しく触れます。

毎月の定期請求・入金の記録・権限設定

常用の人工代やメンテナンス契約のように毎月同じ内容を請求する取引先には、「毎月自動作成」が使えます。周期は毎週から1年ごとまで選べ、件名や品目名に「##請求月##」と入れておくと、作成月に合わせて置き換わります。

入金の管理は、請求書ごとに「未入金」「入金済」のステータスを持ち、入金日と金額を入れて消し込む形です。支払期限が近い未入金の請求書は、毎週火曜日に「ユーザー管理と閲覧」権限を持つユーザーへメールで通知されます。月末に通帳と請求書控えを突き合わせていた作業が、画面上のステータス確認に置き換わります。

ユーザー権限は「管理者」「一般」「閲覧専用」のテンプレートに加えて、請求書の編集・郵送・メール送信・レポート閲覧などを個別に付け外しできます。現場監督には見積書の作成だけを許可し、請求書の送信は事務担当に限定する、といった運用が組めます。

AI請求書アップロード機能:元請け指定の様式をどう扱うか

建設業で避けられないのが、元請けから「この様式で出してください」と指定される請求書です。マネーフォワードは2025年11月26日に、ExcelやWordで作った取引先指定フォーマットの請求書PDFをアップロードすると、AIが内容を読み取って請求書データとして保存する機能の提供を始めました。背景として、クラウド請求書を利用する事業者のおよそ4割が、一部の請求書を取引先指定のフォーマットで作る必要があると公式に説明されています(出典:株式会社マネーフォワード プレスリリース「『マネーフォワード クラウド請求書』、AIを活用した『請求書アップロード機能』を提供開始」)。

この機能は有償契約中のユーザーが対象で、取り込んだ請求書は複製・変換・郵送・メール送信・PDF出力ができません(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「AIを利用して請求書をアップロードする方法」)。つまり「元請け様式の請求書は従来どおりExcelで作って提出し、売上と入金の管理だけクラウド請求書に載せる」ための入口です。元請け様式を自動で生成してくれる機能ではないので、そこは期待値を合わせておきましょう。

初期設定から請求書発行までの手順

送付元情報と端数処理の設定、取引先・品目の登録、見積書から請求書への変換と送付の3ステップを矢印でつないだフロー図

トライアル初日に元請けあての請求書をいきなり作ったら、消費税の端数が元請けの計算と1円ずれて差し戻された。内装や設備の工事会社でよく聞くつまずきです。原因は請求書の作り方ではなく、事業者情報と端数処理を決めずに帳票を作り始めたことにあります。順番を守れば、目安として1時間程度で発行まで到達できるので、手順どおりに進めてください。

1. 事業者情報・インボイス登録番号・端数処理を先に決める

最初に「帳票設定」の「送付元情報」で、会社名・住所・振込先とあわせて、適格請求書発行事業者の登録番号を設定します。登録番号は半角数字13桁で、「設定する」にチェックを入れると、新形式テンプレートで作る納品書・請求書・領収書に自動で記載されます。作成済みの帳票は送付元情報を後から編集できないため、最初に済ませておきましょう(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「適格請求書発行事業者登録番号の設定方法」)。

次に端数処理です。クラウド請求書では「明細行ごとの端数処理」と「消費税の端数処理」を別々に、切り捨て・切り上げ・四捨五入から選べます。公式FAQの例では、単価100.3円×2の明細を両方切り捨てにすると220円、明細を切り上げ・消費税を切り捨てにすると221円と、組み合わせで合計が変わります(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「『明細行ごとの端数処理』と『消費税の端数処理』を変更するとどうなりますか?」)。元請けの支払通知書と同じ端数ルールに合わせておくのが、差し戻しを防ぐ最短ルートです。

2. 取引先と品目を登録する

取引先は1件ずつ登録するか、CSVで一括登録します。取引先名は必須で、支払期限・住所・メールアドレス・CC先・担当者を持たせられます。注意したいのは、取引先情報を後から編集しても、作成済みの帳票や毎月自動作成のひな形、クラウド会計側の補助科目名には反映されない点です(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「取引先の設定方法」)。

建設会社でおすすめの登録ルールは、取引先を「会社」単位で登録し、現場や工事名は帳票の件名とタグで持つ方法です。元請け1社に対して現場ごとに取引先を分けてしまうと、会計側の売掛金の補助科目が現場数だけ増えて、決算のときに集約し直す手間が発生します。

品目には、よく使う工種や単位(人工、m2、式など)をあらかじめ登録しておきます。単価を入れた品目を用意しておけば、現場監督が見積書を作るときに単価の書き間違いを防げます。

3. 見積書を作成し、請求書に変換して送付する

見積書の作成画面では、件名(200字以内)、明細の品目・単価・数量・税率、備考を入力します。件名を工事名にしておくと、一覧画面で工事の検索がしやすくなります。

受注が決まったら、見積書を「複製/変換」で請求書にします。値引きを載せたいときは、単価または数量をマイナスにした明細行を追加して表現します。請求書が完成したら、メール送信か郵送代行を選び、送信後は帳票ロックをかけて誤って編集されないようにします。メール送信・郵送依頼・PDFダウンロードのタイミングで自動ロックする設定も用意されています。

建設業特有の請求への対応:出来高請求・前受金・人工代

ここからは「一般的な請求書ソフトの説明にはないが、多くの建設会社がぶつかる」場面です。公式ヘルプで確認できる範囲では、クラウド請求書に出来高や前受金の専用機能はないため、既存の機能をどう組み合わせるかが実務のポイントになります。請求書に書くべき項目そのものの基礎は、建設業の請求書の書き方で解説しています。

出来高請求(部分請求)はどう発行するか

工期が数か月にわたる工事では、月ごとの出来高に応じて請求する場面が出てきます。クラウド請求書には契約金額を分割して自動で請求書を起こす機能はなく、それはPlusの「分割請求書」の領域です。標準版で出来高請求を回す方法は3つあります。

  1. 都度作成する: 明細行は自由記載なので、品目名を「○月分出来高(進捗40%)」のように書き、月ごとに請求書を作る。件名は工事名で固定し、タグに工事番号を付けておけば、後で工事単位に絞り込める
  2. 繰越欄付テンプレートを使う: 取引先ごとに繰越残高を設定し、前回請求額・入金額・今回請求額・翌月繰越を1枚で示す。翌月繰越には「入金不足」に自動表示された金額を正負そのまま転記するのがルール
  3. 納品書を合算する: 追加工事や小口の手直しが多い現場では、作業ごとに納品書を起こし、月末に「合算請求書」で1枚にまとめる。合算請求書の消費税は小計に税率を掛けて計算するため、納品書ごとの税額の合計と数円ずれる場合がある(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「合算請求書の作成方法」

契約金額に対する累計請求額や残高を自動計算する機能は、公式ヘルプでは確認できません。工事ごとの「契約額・累計出来高・累計請求・残り」は、別途一覧で管理する前提で運用を組むことになります。

前受金(着手金)・中間金の請求と会計処理

着手金や中間金の請求書も、作り方としては通常の請求書と同じです。品目名を「着手金(契約金額の30%)」のように書けば発行できます。気をつけたいのは会計側の扱いです。引渡しを完了していない工事の請負代金として受け取った額は、建設業会計では未成工事受入金に計上するのが基本ですが、進捗に応じてすでに完成工事高へ計上した部分などは除かれます。適用する収益認識方法や契約内容によって処理が変わるため、一律に前受金として処理しないよう注意してください(出典:国土交通省「建設業法施行規則別記様式第十五号及び第十六号の国土交通大臣の定める勘定科目の分類」)。勘定科目の考え方は未成工事受入金とはで整理しています。

クラウド請求書からクラウド会計に連携される仕訳は、請求書の売上計上日にもとづく売掛金の仕訳です。前受金の請求書をそのまま連携させると売上として仕訳候補が上がるので、着手金の請求書は帳票ごとの設定で売掛発生の仕訳を作らないようにするか、会計側で仕訳候補を登録する前に科目を修正する運用にしておきます。顧問税理士と「前受金の請求書はこう処理する」と決めておくと、決算のときに慌てません。

工事名・人工代・法定福利費の書き方

工事名を書く専用欄はありませんが、件名(200字以内)に「○○邸 内装改修工事」と入れれば十分に伝わります。明細の「詳細説明」欄を使えば、工期や現場住所を品目ごとに補足することもできます。

常用の人工代は、品目「大工手間」、単位「人工」、数量「22」、単価「25,000」のように書きます。人工の考え方と相場は人工代とはで解説しています。法定福利費を内訳として明示する場合は、明細行に「法定福利費(労務費の○%)」を1行立てるのが実務では読みやすい形です。

源泉徴収の欄は、事業者区分が「個人」の場合のみ計算できる仕様で、法人では使えません(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「源泉徴収税を計算できますか?」)。一人親方が個人事業として登録していれば源泉徴収欄は使えます。ただし、個人事業主への支払いがすべて源泉徴収の対象になるわけではありません。一般的な工事請負代金は、個人への支払いという理由だけで源泉徴収するものではなく、給与に当たるか、所得税法上の対象となる報酬・料金に当たるかを取引の実態に応じて判断します(出典:国税庁「源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」)。

請求書ソフトで出来高請求を都度作成できても、その工事の実行予算や原価との差までは追えません。工事ごとの見積・原価・請求・粗利を一画面でつなぎ、仕訳はマネーフォワード クラウド会計へ連携できるのが工事管理システムuconnectです(30日間無料・初期費用0円)。

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クラウド会計と連携して請求書発行から入金管理・法令対応まで回す

請求書作成から売掛発生・入金予定の仕訳が自動作成され、銀行明細と紐づけて入金済みになるまでの4ステップのフロー図

クラウド請求書を単体の請求書作成ツールとして使うだけでは、無料の請求書テンプレートに対する優位性は限られます。請求書を作った瞬間に会計の仕訳ができ、入金の消込まで一本の流れになることが、クラウド請求書を選ぶ最大の理由です。仕組みを正確に理解しておくと、二重計上や消込漏れを防げます。

請求書発行から売掛金の仕訳・入金消込までの流れ

請求書を作成すると、クラウド会計・確定申告側に2種類の仕訳が自動で作られます。1つは売上と売掛金を計上する「売掛発生の仕訳」で、会計側の「請求書から入力」画面に仕訳候補として並びます。もう1つは「入金予定の仕訳」で、支払期限の日付で未実現の仕訳として登録されます(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「『マネーフォワード クラウド会計・確定申告』との連携について」)。

入金があったら、会計側で銀行明細と入金予定の仕訳を紐づけて「実現」に変えます。これで請求書側のステータスも自動的に「入金済み」になります。銀行口座を連携していれば、入金明細と入金予定仕訳を突き合わせるだけなので、通帳を見ながら1件ずつ探す作業がなくなります。

注意点が2つあります。まず、仕訳を作るかどうかは「帳票設定」の「会計連動」画面で「売掛発生の仕訳」「入金予定の仕訳」それぞれに「作成する」のチェックが必要で、ここがオフだと何も連携されません(出典:マネーフォワード クラウド会計 サポート「クラウド請求書で作成した請求書に対応する仕訳が連携されません。」)。もう1つは記録先の違いです。会計側で入金予定の仕訳を「実現」するか、銀行明細と紐づけて登録すると、請求書のステータスは「入金済み」になりますが、請求書側の「入金履歴」画面には入金日や入金額が記録されません。入金履歴も残す場合は、請求書側で入金日と入金額を別途登録する必要があります。一方、請求書側で入金を登録しただけでは会計側の入金仕訳を実現したことにはならないため、会計連携を使う会社は会計側での入金処理を省かないでください(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「『入金確認』機能の使い方」)。

会計側の建設業向け設定(勘定科目や部門による工事別管理)は、建設業向けマネーフォワード活用ガイドで扱っています。

電子帳簿保存法とインボイス制度への対応

電子帳簿保存法については、証憑保存サービス「マネーフォワード クラウドBox」と連携することで「電子帳簿等保存」と「電子取引」の2区分に対応します。メール送信・郵送代行・PDF出力・デジタルインボイス送信などの操作時に「クラウドBoxに保存する」を選ぶと、発行した帳票が保存される仕組みです(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「電子帳簿保存法への対応について」)。無償利用状態では連携できず、パーソナルミニ・ひとり法人・スモールビジネスは保存数が1,000件までです。また、紙に印刷後に加筆した場合など、クラウド請求書とクラウドBoxの連携だけでは対応できない運用もあります。電子帳簿等保存を行う場合は、システム関係書類や事務手続を明らかにした書類など、該当区分の保存要件も確認してください。

インボイス制度については、新形式テンプレートを使い、送付元情報に登録番号を設定していれば、税率別の内訳と登録番号が記載された適格請求書として発行できます。国税庁が定める記載事項は、発行者の名称と登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとの対価の合計額と適用税率、税率ごとの消費税額、交付先の名称です(出典:国税庁「インボイス制度について」)。返品や値引きを後日精算するための適格返還請求書のテンプレートも用意されています。

デジタルインボイス(Peppol)の送信にも対応しています。有償利用中で「デジタルインボイス送信」権限があり、送付元と取引先が国内、消費税表示が外税、新形式テンプレートで作成した適格請求書であることが条件です。送信前に、管理コンソールで送付元のPeppol IDを確認し、取引先マスタにも相手先のPeppol IDを登録します。繰越欄付テンプレートはデジタルインボイスとして送れないため、繰越欄を使う元請けとデジタルインボイスを求める元請けが混在する会社は、取引先ごとにテンプレートを使い分けることになります(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「デジタルインボイスの送信方法」)。

請求業務のワークフローを最適化する3つのルール

業務効率化の効果を左右するのは、機能の使い方よりも社内ルールの決め方です。従業員10〜30名規模の建設会社で回しやすい形を3つ挙げます。

  • 締め日と発行日を固定する: 「毎月25日に現場監督が出来高を確定、27日に事務が請求書を作成、末日に送付」のように日付で決める。毎月自動作成のひな形は継続取引先だけに使い、スポット工事は見積書からの変換に統一する
  • 送付前チェックを帳票ロックで担保する: 事務担当が内容を確認したうえでメール送信し、その時点で自動ロック。送信後の修正は複製して新番号で再発行する、と決めておくと、どの請求書が最新か迷わない
  • 入金確認は週1回、火曜の通知で: 毎週火曜に届く未入金請求書のお知らせをきっかけに、会計側の入金明細と入金予定仕訳を突き合わせる。支払期限を過ぎた元請けには、この通知を根拠に翌日までに確認の連絡を入れる

タグは「帳票ごとに設定できるふせん」のような機能で、プロジェクトや案件単位で付けられます。売上レポートではタグ別の月次売上も見られるので、工事番号をタグにしておけば、請求ベースの工事別売上が確認できます。ただし見えるのは売上だけで、原価や粗利は載りません。

クラウド請求書の導入でつまずきやすいポイントと注意点

登録番号や端数処理の設定漏れ、郵送代行の締め時間、権限設定、工事別粗利が見えない点の4つの注意項目を並べた図

「郵送を依頼したのに元請けの締め日に届かなかった」「登録番号が請求書に出ていないと言われた」。月末の忙しい時期に、導入初期の会社が口にするのはこうした声です。原因は機能の不足ではなく、設定と運用の見落としがほとんどです。公式ヘルプで確認できる範囲で、事前に知っておきたい点をまとめます。

消費税の端数・登録番号・取引先情報の設定漏れ

  • 登録番号を設定する前に作った帳票には番号が入らず、後から送付元情報を編集することもできない。旧形式テンプレートは2025年3月までに新規作成の提供が終了しているため、テンプレートは新形式に統一する(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「旧形式テンプレートの提供終了に関するお知らせ」
  • 端数処理は帳票の「詳細設定」で変えられるが、元請けごとにルールが違うなら、取引先別に確認して合わせる
  • 取引先情報を変更しても、既存の帳票・毎月自動作成のひな形・会計側の補助科目には反映されない。振込先や担当者が変わったら、ひな形を開いて手で直す

郵送代行の締め時間と到着日数

郵送代行は16時以前に依頼すると翌営業日以降、16時以降は翌々営業日以降の発送になります。ただし、16時直前の依頼はシステム処理によって翌々営業日以降になる場合があります。到着は発送日の翌営業日から起算して3〜5営業日ほどかかり、普通郵便のため追跡もできません(出典:マネーフォワード クラウド請求書 サポート「郵送依頼を行った帳票はどのタイミングで発送されますか?」)。元請けの締め日が月末なら、土日祝や配送遅延も見込み、到着希望日から必要営業日数を逆算して余裕をもって依頼してください。急ぎのときはメール送信に切り替える、という判断基準も社内で決めておきましょう。

権限設定と二段階認証でセキュリティを確保する

請求書には取引先の住所・金額・振込先が集まります。管理者権限を全員に付けるのではなく、現場監督には見積書の編集だけ、事務担当には請求書の編集と送信、社長には閲覧とレポートというように、権限テンプレートと個別権限で絞り込んでください。ユーザーの追加は管理コンソールに登録した人だけができるため、退職者のアカウントは管理コンソール側で忘れず削除します。マネーフォワード ID共通の設定で二段階認証を有効にしておくのも、小さな会社ほど効く対策です。

工事別の粗利・原価はクラウド請求書では見えない

最後に、導入後に一番よく聞く「思っていたのと違う」がこれです。クラウド請求書のタグ別売上レポートで工事ごとの請求額は追えますが、その工事にかかった材料費・外注費・労務費は載らないため、どの工事が儲かったかは分かりません。実行予算と実績の比較や工事台帳の作成も対象外です。

請求の電子化が目的なら、ここまでの内容で十分に元が取れます。一方で「請求書を電子化したついでに、工事ごとの粗利も見えるようにしたい」のであれば、見積・実行予算・原価・請求を工事単位でつなぐ工事管理システムを組み合わせる設計が必要です。次のセクションで、その具体策を紹介します。

請求の電子化と工事別の粗利管理をつなぐ工事管理システム

工事管理システムuconnectの画面イメージ

マネーフォワード クラウド請求書を入れると、請求書の作成・送付・入金の記録と会計への仕訳連携は一本の流れになります。ただ、工事ごとにいくら原価がかかり、いくら残ったかは請求書ソフトの守備範囲の外で、実行予算との差は別のExcelで追いかけることになります。

その「請求と原価の間」を埋めるのが、株式会社unlimitedが提供する工事管理システム「uconnect」です。工事ごとに見積と売上・原価を登録すると、原価が自動で集計され、粗利がリアルタイムで見えます。仕訳データはマネーフォワード クラウド会計へ連携できるので、請求書ソフトと会計ソフトを入れ替える必要はありません。

  • 階層型の見積と実行予算を工事ごとに作成し、実績との差をすぐに確認できる(上位プランの機能)
  • 材料費・外注費・経費を工事別に自動集計し、粗利をリアルタイムで把握できる
  • 見積から請求までを工事単位で一気通貫に管理し、売上と原価を同じ画面で確認できる
  • 工事台帳を自動作成し、月次の締めや決算の資料づくりを短縮できる
  • 工事別・部門別・担当者別に粗利を分析できる

料金は初期費用無料、月額7,920円(税込・基本料+1ユーザー)からで、30日間の無料トライアルがあります。階層型見積・実行予算の機能は月額24,420円(税込)からの上位プランで提供されています(出典:uconnect「工事業・建設業向け 料金プラン」)。デジタル化・AI導入補助金2026の対象で、シリーズ累計3,000社の導入実績と継続率98.9%は、小さな建設会社でも使い続けられている裏づけです。

導入前には、自社に合うかを短時間で判定できる導入適合性チェックも用意されています。請求書ソフトで請求の電子化を始めた次の一手として、uconnect公式サイトで機能と価格を確認してみてください。

まとめ

マネーフォワード クラウド請求書は、数名から数十名規模の建設会社が、見積書から請求書・領収書の発行、送付、入金の記録、会計への仕訳連携までを1つの流れにまとめられる請求書作成ソフトです。名前の似た4製品のうち、発行側の中小企業向けはこの製品で、料金はクラウド会計などを含むプランとして年払い月額換算2,480円からで、1か月の無料トライアルもあります。

導入時に押さえるポイントを整理します。

  • 最初に送付元情報(登録番号)と端数処理を設定し、新形式テンプレートに統一する
  • 取引先は会社単位、工事名は件名、工事番号はタグで持つ
  • 出来高請求は都度作成・繰越欄付・合算請求書の3手段で回し、契約額に対する累計は別管理にする
  • 会計連動の設定をオンにし、入金の消込は会計側の「実現」操作に寄せる
  • 郵送代行は元請けの締め日から逆算して依頼する

まずはトライアルで、進行中の工事1件分の見積書を作り、請求書に変換して自社あてにメール送信してみてください。設定の抜けはその1件で洗い出せます。

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