資金繰り表の作り方!初心者や挫折した方も5つのポイントをプロが直伝

合同会社RYDEEN監修

今回の記事は、士業のプロ集団 合同会社RYDEEN監修の内容です。合同会社RYDEENのホームページはこちらです。

資金繰り表 がサクサクできる!

これまで 資金繰り表 の作成にチャレンジして挫折した社長さんは、どのくらい いらっしゃるのでしょうか。

私もネットで「 資金繰り表 の作成方法」を検索してみましたが、会計の知識が必要だったり、エクセルの関数を多用した作りになっていたり、かなりハードルの高い内容になっていました。

今回は、 資金繰り表 作成を挫折した社長さんにもオススメな内容で、以下の特徴があります。

  1. できる限りシンプルに作成します
  2. 予測することに重点を置いています
  3. 会計の知識がなくてもできるよう解説しています

このようなフローで解説していきます。

予測型資金繰り表作成フロー

予測型資金繰り表作成フロー

それでは、早速はじめて行きましょう!

資金繰り表 準備編

準備するもの

  1. 直近の決算書(貸借対照表・損益計算書・販売費および一般管理費明細書)
  2. 借入返済の予定表
  3. インターネットに繋がるパソコンまたはタブレット
サンプル決算書

ここでは、こちらで作成したサンプル決算書を使用して説明いたします。
下記よりダウンロードできます。
貸借対照表損益計算書販売費および一般管理費明細書借入返済予定表

パソコンやエクセルが苦手な方へ

パソコンやエクセルが苦手な方は、記事の最後を確認してください。タブレットで簡単サクサクできる方法をご紹介します。

注意事項

貴社の経理方式は、税込経理ですか?
それとも税抜経理ですか?
事前に確認しておきましょう。

もし分からなければ、税理士さんに確認してみてください。

税抜経理の会社は、支出や収入に「消費税分を加える」必要があります。

予測型 資金繰り表 作成

今現在の資金繰り表から将来の資金繰りを予測することに重点を置く資金繰り表の作成を開始します。

POINT①

資金繰りは、利益ではなく「お金」の出入りを予測するので、売掛や買掛、クレジットカードでの取引をされている企業は、実際にお金が入出金される月を予測しましょう。
予測型資金繰り表ですから、あまり複雑に考えると大変なので、毎月ほぼ一定の入出金があるところは、ザックリと月々支出として考えましょう。季節変動があったり、特別金額の大きい入出金があるときは、その支払条件に従って入出金月を予測するようにしましょう。

 
上記のサンプル決算書を例に説明しますので、その都度、貴社の資金繰りと置き換えて考えてみてください。

また、今回の例では以下の要領で資金繰り表を作成していきます。

開始時期 決算翌月の2019年1月
期間 1年間
開始残高 10,473千円

開始時期は、当期の決算開始月から始めることをオススメします。

開始残高の入力

まずは開始残高の入力を行います。

注意点

資金繰り表の金額は、税込で千円単位での入力になります。

開始残高

開始残高

例では、貸借対照表の上記部分を下記 黄色の前月残高 右へ入力します。
貴社の貸借対照表の該当金額を開始残高に入力してください。

開始残高の入力

開始残高の入力

簡単な支出から考えよう

借入返済

まずは、簡単な支出、借入返済から考えます。というか考える必要はありません。
借入返済予定表を確認すれば、それで終わり…

借入返済予定表

借入返済予定表

POINT②

長期返済の例では、本来は毎月違った額になるのですが、1月と12月で6,000円しか違わないので、このようなときはザックリと月々支出で予測しましょう。

この後もまずは作成することを優先して、ザックリと定額で予測していきます。

長期返済額の入力は以下の 赤色の長期返済 右です。設定列(D列)に入力するとその右側へコピーするよう式が設定してあります。

長期返済の入力

長期返済の入力

税支出

法人税の支払

次に法人税です。これは、前期決算書の貸借対照表みれば一目瞭然です。
法人税の支払は、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内となっていますので、今回の例では2月までに法人税を納付することになります。

未払法人税等

未払法人税等

この例では、法人税を以下のように設定しました。入力方法は、消費税と一緒に解説します。

科目 時期 金額
法人税 2月 250千円
消費税の支払

次は消費税の支払です。これも、前期決算書の貸借対照表みれば一目瞭然です。
消費税の支払も、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内となっていますので、今回の例では2月までに消費税を納付することになります。
また、今回の例では、2回納付として同額を2月と8月に支払うよう予測します。

消費税の支払は色々と複雑ですが、ここでは説明しません。納付回数も1回、2回、4回、12回と色々あります。詳しくは、「会社にかかる税金(法人税等)の支払時期と注意点」を読んでみてください。
分からなければ税理士さんに確認しましょう。

未払消費税等

未払消費税等

この例では、消費税を以下のように予測しました。

科目 時期 金額
消費税 2月 2,653千円
8月 2,653千円

法人税と消費税の入力は以下の非定型支出の 赤色の法人税・消費税 の右です。
また、消費税は今回は2回納付としています。

税支出の入力

税支出の入力

固定支出

次は、固定支出の販売費および一般管理費の予測です。少し項目が多いですが することは簡単です。貴社に合わせて予測してみてください。

まずは、販売費および一般管理費を以下のように分解します。

販売費および一般管理費を分解

販売費および一般管理費を分解

POINT③

ここでのポイントは、

  1. 固定支出を月々支出非定型支出に分ける
  2. 人件費その他経費で分ける
  3. 減価償却費を無視する

実際に決算書の販売費および一般管理費でみるとこんな感じです。

販売費および一般管理費の分解

販売費および一般管理費の分解

人件費の月々支出

販売費および一般管理費の人件費支出の月額を計算すると以下のようになります。(単位:千円)

科目 年間金額 月額
役員報酬 6,000 500
給与 12,000 1,000
法定福利費 2,970 248
その他経費の月々支出

その他経費の計算時は、忘れずに減価償却費を除いてください。

科目 年間金額 月額
その他経費
※ここは税込で計算
3,553 296

月々支出の入力は以下の 赤色の役員報酬 右から下です。これも、設定列(D列)に入力するとコピーするよう式が設定してあります。

人件費・その他経費の月々支出

人件費・その他経費の月々支出

貴社の月々支出を予測しよう

この例のように貴社の月々支出の予測も行ってみましょう。
もし、役員報酬をアップする予定や人を増やす予定があれば、それも計画値として含めましょう。
その場合、社会保険料の法定福利費はザックリ給与の15%と覚えておきましょう(パートさん等は社会保険料がかからないので法定福利費はかかりません)。
例えば、給与30万の社員を1名4月から増やす予定があれば、月額で給与30万+法定福利費4.5万円(15%)。賞与が1回40万であれば、法定福利費は6万円(15%)です。これはザックリの額なので、正確に知りたいときは、経理の方に聴いてみましょう。この時は、会社負担分の法定福利費も教えてと伝えてくださいね。

人件費の非定型支出

この例では、その他経費の非定型支出はないものとします。

ここでは、賞与のみ予測します。賞与は年2回支給として、2で割ると以下のようになります。(単位:千円)

科目 年間金額 1回 時期
賞与 1,800 900 6月
900 12月
その他経費の非定型支出

この例では、ないものとします。

非定型支出の賞与の入力は以下の 赤色の賞与 右の6月と12月に入力します。

人件費の非定型支出の入力

人件費の非定型支出の入力

貴社の非定型支出を予測しよう

貴社の賞与も予測してみてください。
また、貴社での非定型支出がないか調べてみてください。
例えば、社用車が多い会社の自動車税や引越等、分かっている支出があれば、ここで予測しておきましょう。

これで、「固定支出」の入力は終わりました。

POINT④

ここでのポイントは、支出の合計額は粗利益の最低目標額と言うことです。
従って、支出の合計額を賄う粗利益が必要です。
これが成り立たないと、資金は減っていくということです。

原価支出

支出の最後は原価の支出です。
もし、売上を予測しないと原価が計算できない方は、先に売上収入に進んでください。

原価の予測は、多くの社長さんが行っているのではないでしょうか。もし、既に予測しているという場合は、その予測額を使ってください。

その時、部門別やカテゴリ別に予測されている方は、その部門やカテゴリ別の額を使ってください。その方が、後で差異が出たときに何処で差異があったかが分かりやすくなります。

ここでの予測は、前年と同じ額にします。

科目 原価額(千円) 月の原価額(千円)
原価
※ここは税込で計算
13,219 1,102

入力方法は売上と一緒に説明しています。

原価の予測が難しい方へ

もし、原価の予測がつかない社長さんは、前年度の原価÷売上で原価率を求めて率が同じになるように予測してみましょう。

原価率の計算

原価率の計算

POINT⑤

ここでのポイントは、原価は原価率を使って予測します。本来は、売上や原価の種類毎に原価率を出して計算するようにしましょう。

収入の予測はしっかりやろう!

売上収入

売上の予測も、多くの社長さんが行っているのではないでしょうか。もし、既に予測しているという場合は、その予測額を使ってください。

原価と同様に、部門別やカテゴリ別に予測されている方は、その部門やカテゴリ別に入力してください。その方が、後で差異が出たときに何処で差異があったかが分かりやすくなります。

もし、売上の予測がつかない社長さんは、前年度の売上を参考に予測してみましょう。

この例では、前年と同額で予測することにします。

損益計算書の売上

損益計算書の売上

今回は、前年度を参考に以下のように予測しました。

科目 売上額(千円) 月の売上額(千円)
売上
※ここは税込で計算
44,064 3,672

原価支出と売上収入の入力は以下の通りです。原価は 赤色の原価 右に入力します。売上は 青色の売上 右に入力します。
複数ある場合は、行をコピーして入力してください。

原価支出と売上収入の入力

原価支出と売上収入の入力

借入収入

この例では、資金調達の予定はなしとします。
もし、資金調達の予定があれば、ここで入力しておきます。

借入収入の入力

借入収入の入力

予測型 資金繰り表 作成まとめ

以上で資金繰りの予測は終わりです。
以下に予測額をまとめてみました。

資金繰り予測まとめ

資金繰り予測まとめ

今期末の残高予測を確認

これで、資金繰り表の作成は終わりました。

ここで、今期末の残高予測をみてみましょう

今期末の残高予測

今期末の残高予測

何と、今期の開始残高が1,000万円以上あったのに今期末には500万円を切る予測となりました。

ということは、昨年の売上予測通り今期も同じであれば資金が半分になるため、売上アップを行っていく必要があるということです。それができなければ、資金調達しなければいけないということです。

資金繰り表を作成すると事前にこのような予測ができますので、余裕を持って準備することができます。

やっぱり、資金繰り表は大切ですね…

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エクセルで資金繰り表のテンプレートを作成していますので、ダウンロードしてください。

テンプレートダウンロード
  1. メールアドレスを入力して、【ダウンロードする】ボタンをクリックしてください
  2. メールが送信されますので、【ダウンロードページへ】ボタンをクリックしてください
  3. ダウンロードページよりエクセルテンプレートをダウンロードしてください

上記、メールアドレスの登録を行ってもダウンロードができない方はお問合せください。

タブレットで使用される方は、エクセルのアプリをインストールしてください。

エクセル操作で挫折しそうな社長さんへ

弊社では、社長の管理会計クラウド「uconnect」というサービスを運営しております。

もし、上記のエクセルでの資金繰り表が難しいと思われた社長さんは社長の管理会計を検討してみてください。

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資金繰り表 作成まとめ

如何だったでしょうか。
貴社の資金繰り表は、出来上がったでしょうか?

今回は、完成させることを最優先にした内容でしたので、多少精度が犠牲になったかもしれません。
ただ、実際にはこのくらいの精度でも十分だと思います。私自身もこの方法でやっていますが、何の問題もありません。
但し、資金繰りが切迫している会社は、もっと精度を上げる必要があると思います。

資金繰りが切迫していない会社は、資金繰りを予測して実績残高と比べて違いを次回に反映するPDCAサイクルを回す方が精度が上がっていくので大切だと思います。そういう意味では、「社長の管理会計クラウド」がお役に立つのではないかと思います。

注意事項

今回の資金繰り表作成方法は、完成させることを重視した作り方です。業種によっては、残高予測が大きく変わってくる可能性があります。従って、資金繰りが非常に厳しい方がこの方法で作成し、融資等の決定の指標にすることは避けてください。この記事を見て資金繰り表をされ、それによる一切の賠償責任を負いませんのでご了承ください。

投稿者プロフィール

橘 貴督
橘 貴督株式会社unlimited 代表取締役
サラリーマンを27年間努めた後、独立してタチバナアライブシステム株式会社を設立、その後、会社を分割して株式会社unlimitedを設立しました。サラリーマン時代には、日本製鉄・日本航空・日本アイ・ビー・エム等の大企業を中心にシステム開発を行ってきました。unlimitedでは中小企業のクラウドサービスを中心に開発・販売しています。

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