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見積もりの断り方とマナー|建設業向けメール例文と相見積もりの注意点

建設会社向けに見積もりの断り方のマナーとメール例文、相見積もりの注意点を解説する記事のアイキャッチ

相見積もりを取った3社のうち、発注先を1社に決めた。残りの2社に断りの連絡を入れなければならないのに、文面がまとまらず翌週まで持ち越してしまった。建設会社の事務所では、こうした「見積もりの断り方」の悩みが日常的に起こります。協力会社や材料業者とは今後も付き合いが続くだけに、断り方ひとつで関係がぎくしゃくするのは避けたいところです。

この記事では、見積もりを断るときの基本マナー、メール・電話の使い分け、そのまま使えるケース別のメール例文、避けるべきNG行動を、建設会社の目線で整理しました。あわせて、元請として見積を依頼する側が知っておきたい建設業法上のルールと、逆に自社の見積が断られたときの対応もまとめています。

今日、返事を保留にしている見積があれば、本文の型に当てはめて一通送るところから始めてみてください。

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目次

見積もりを断るときの基本マナー

見積もりを断るときの3つのマナー(感謝を伝える・理由をはっきり伝える・相手への配慮)をアイコン付きで示した図

協力会社や材料業者から届いた見積書を「今回は見送る」と伝える場面は、建設会社なら月に何度もあります。断ること自体は失礼ではありません。相手も相見積もりが当たり前の業界で仕事をしているので、断られる前提で見積を出しています。問題になるのは、断り方の雑さです。

押さえるべきマナーは3つに絞れます。感謝を伝える、理由をはっきり伝える、相手への配慮を忘れない。この3点が入っていれば、メールでも電話でも大きく外しません。

見積作成の手間に対して感謝を伝える

見積書は無料で届くように見えますが、相手は図面を読み、数量を拾い、単価を当てて金額を組んでいます。専門工事なら現地調査に半日かけていることもあります。断りの連絡は、まずその手間へのお礼から入るのが筋です。

「このたびはお忙しいなか、お見積もりをいただきありがとうございました」の一文があるだけで、受け取る側の印象は変わります。定型文でかまいません。大切なのは、断りの言葉より先に感謝が来ていることです。

断る理由を短く、はっきり伝える

理由をぼかしたまま「今回は見送ります」とだけ書くと、相手は「金額が高かったのか、工期が合わなかったのか、それとも会社として何か問題があったのか」と考え込みます。次の見積に活かしようもありません。

理由は1〜2文で十分です。「予算面で他社に決めた」「工期の都合が合わなかった」「施主の意向で仕様が変わった」など、事実をそのまま伝えます。金額の細かい差や他社名まで説明する必要はありません。理由が伝わることで、相手も納得しやすくなり、次回は条件を調整した見積を出してくれる可能性が高まります。

相手が「次も付き合いたい会社」であることを忘れない

建設業では、協力会社や材料業者との付き合いが長く続きます。今回断った鉄筋屋に、来月は急な応援を頼むかもしれません。だからこそ、断りの文面には「今後ともよろしくお願いいたします」という一文を添え、関係を切るつもりがないことを示しておきます。断り方ひとつで信頼関係が長く続くか、その場で途切れるかが分かれます。

逆に、断りの連絡を後回しにしたり、返信せずに放置したりすると、その1件だけで信頼が落ちます。地域の業者同士は横のつながりも強く、「あの会社は返事をくれない」という評判はすぐに広まります。断り方は、次の取引の入口だと考えてください。

見積もりを断るタイミングと連絡手段の選び方

見積もりを断る連絡手段をメール・電話・対面の3列で比較し、それぞれ向いている場面を示した表

マナーと同じくらい効いてくるのが「いつ」「どの手段で」伝えるかです。内容は丁寧でも、連絡が遅ければ相手に迷惑がかかります。

断ると決めたら、その日のうちに連絡する

見積を出した側は、返事を待っている間、その工事のために職人の予定や材料の枠を仮押さえしていることがあります。連絡が遅れるほど、相手は他の仕事を受けられません。発注先が決まった時点で、選ばなかった業者にもすぐ連絡するのが基本です。

目安としては、見積書に「見積有効期限」があればその期限内、なければ受け取ってから1〜2週間以内には返事をしたいところです。社内の決裁待ちで結論が出ないときは、「〇日ごろまでには判断します」と途中経過だけでも伝えておくと、相手は予定を組みやすくなります。

メール・電話・対面の使い分け

連絡手段は、相手との関係の深さと案件の大きさで選びます。

連絡手段向いている場面注意点
メール初めての取引先、金額が小さい案件、記録を残したいとき送りっぱなしにならないよう、返信がなければ電話で確認
電話長い付き合いの協力会社、現地調査まで対応してもらった案件用件を先に整理しておく。通話後にメールで要点を残す
対面大型案件、担当者が何度も足を運んでくれた場合訪問前にアポを取る。断りの結論は最初に伝える

日常的な材料の相見積もりならメールで十分です。一方で、専門工事業者に現地調査や図面の読み込みまで依頼した案件を、メール1通で断るのは冷たく映ります。そうした案件は電話で直接伝え、あとからメールで内容を残す二段構えにすると、丁寧さと記録の両方を確保できます。

見積もりを断るメールの書き方:基本の流れ

見積もりを断るメールの4ステップ(あいさつと感謝→結論→理由→今後のお願い)を示すフロー図

メールで断る場合、書き方の型を1つ持っておくと、担当者ごとに文面がばらつきません。ここでは件名、本文の流れ、送信前の確認ポイントの順に整理します。

件名は「見積の件」とわかるように

件名は、相手が受信一覧で「あの見積の返事だ」とわかる形にします。「〇〇工事 お見積もりの件」「【ご連絡】〇〇邸 外構工事 見積のご回答」のように、工事名を必ず入れてください。「お世話になっております」だけの件名や、相手が送ってきた見積送付メールへの単純な返信(Re:)でも通じますが、件名を書き換えたほうが後で探しやすくなります。

本文は4ステップで組み立てる

本文は次の順番で書くと、短くても失礼になりません。

  1. あいさつと感謝:見積を出してもらったことへのお礼
  2. 結論:今回は発注を見送ること
  3. 理由:1〜2文で簡潔に
  4. 今後の関係への一言:次の機会へのお願いと結び

型にすると次のようになります。

> 株式会社〇〇 △△様 > > いつもお世話になっております。□□建設の××です。 > このたびは「〇〇邸新築工事 電気設備工事」のお見積もりをいただき、ありがとうございました。 > 社内で検討いたしました結果、誠に恐縮ながら今回は発注を見送らせていただくことになりました。 > 予算の都合により、総額で条件の合う他社に依頼することとなった次第です。 > ご多忙のなかご対応いただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり申し訳ございません。 > また別の案件でぜひご相談させていただければと存じます。今後ともよろしくお願いいたします。

長く書く必要はありません。むしろ、言い訳が長いメールほど読む側の負担になります。

送信前のチェックリスト

送る前に、次の5点だけ確認してください。

  • 宛先の会社名・担当者名に誤りがないか(相見積もりの場合、別の業者宛ての文面を使い回して社名だけ直し忘れる事故が起きやすい)
  • 工事名・見積番号が相手の見積書と一致しているか
  • 他社の社名や金額を書いていないか
  • 「今後ともよろしくお願いいたします」の一文が入っているか
  • 見積の有効期限を過ぎていないか(過ぎている場合はその点も詫びる)

とくに1つ目は要注意です。A社への断りメールに、比較対象だったB社の名前が残ったまま送ってしまうと、断り以上の信用問題になります。

ケース別:見積もりを断るメール例文(建設業向け)

建設会社の事務所で見積書の束を横に置き、ノートパソコンで断りのメールを作成している手元の写真

理由によって、書き方のポイントは少し変わります。建設会社の現場でよくある5つのケースについて、そのまま使える例文を挙げます。文中の会社名・工事名は自社の案件に置き換えてください。

予算が合わない場合

金額を理由に断るときは、相手を否定しない言い方が大切です。「高い」ではなく「予算と合わなかった」と、こちら側の事情として書きます。

> 〇〇工事のお見積もり、ありがとうございました。 > 内容を検討いたしましたが、今回は当社の実行予算との調整がつかず、発注を見送らせていただきます。 > 貴社のご提案内容は魅力的でしたので、次回は予算の段階で早めにご相談させていただければ幸いです。 > 今後ともよろしくお願いいたします。

具体的な金額差を書くかどうかは迷うところです。次回の見積に活かしてもらいたい相手なら「〇万円ほど予算を上回っていた」と伝えても構いませんが、他社の金額をそのまま開示するのは避けてください(理由は後述します)。

工期・スケジュールが合わない場合

工期の都合で断る場合は、相手の技術や金額に不満があったわけではないことを明確にします。次の案件につなげやすいケースです。

> このたびは〇〇工事のお見積もりをいただき、ありがとうございました。 > 施主様との協議の結果、着工時期が前倒しとなり、貴社にご提示いただいた工程では対応が難しいと判断いたしました。 > 誠に勝手ながら、今回は他社にお願いすることといたします。 > 工程が合う案件がございましたら、あらためてご相談させてください。

提案内容・仕様が希望と異なる場合

仕様や工法の違いを理由にするときは、「何が違ったか」を具体的に伝えると、相手にとって建設的なフィードバックになります。

> お見積もりとご提案書を拝見いたしました。丁寧にご検討いただき、ありがとうございます。 > 今回、施主様が既存設備の流用を強く希望されており、貴社ご提案の全面更新の仕様とは方向性が異なるため、発注を見送らせていただくこととなりました。 > ご提案の内容そのものは大変参考になりましたので、次回同種の案件でぜひお声がけさせていただきます。

相見積もりの結果、他社に決めた場合

相見積もりであることを相手が知っている場合は、正直に「比較の結果」と伝えて問題ありません。ただし他社名・他社金額は伏せます。

> 〇〇工事のお見積もりにご対応いただき、ありがとうございました。 > 複数社のご提案を比較検討させていただいた結果、今回は他社に発注することとなりました。 > 貴社には条件面でご配慮いただいたにもかかわらず、このような結果となり申し訳ございません。 > 次回案件でもぜひお見積もりをお願いしたく、引き続きよろしくお願いいたします。

案件自体が中止・延期になった場合

施主の都合で工事そのものが流れることも珍しくありません。この場合は、相手に落ち度がないことと、再開時には改めて相談したい旨を伝えます。

> 先日お見積もりをお願いしておりました〇〇工事につきまして、施主様のご都合により計画が延期となりました。 > つきましては、いただいたお見積もりは一旦見送りとさせていただきます。 > ご対応いただいたにもかかわらず申し訳ございません。計画が再開した際には、あらためてご相談させていただきます。

延期なのか中止なのかは、わかる範囲で正直に書いてください。「延期」と伝えて実際は中止だった場合、相手はいつまでも予定を空けて待つことになります。

電話で見積もりを断るときの話し方

工程表のホワイトボードを背に、スマートフォンで協力会社へ電話をかけている建設会社担当者の後ろ姿の写真

長い付き合いの協力会社や、現地調査までしてもらった案件は、電話で直接伝えるほうが誠意が伝わります。ただし電話は言い方の失敗がそのまま残るので、話す順番を決めてからかけましょう。

話す順番と基本のトーク例

流れはメールと同じで、「感謝→結論→理由→今後のお願い」です。電話ならではのコツは、結論を最初のほうで言い切ること。世間話が長くなると、相手は「受注の連絡か」と期待してしまい、断りの言葉が余計に重くなります。

> 「お世話になっております、□□建設の××です。先日は〇〇工事の見積、ありがとうございました。今日はその件でご連絡しました。社内で検討したのですが、今回は申し訳ないんですが見送らせていただくことになりまして。予算の面で、他社さんにお願いすることになりました。せっかく現場まで見ていただいたのに申し訳ありません。次の〇〇の案件では、またお願いしたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いします」

かける時間帯にも気を配ってください。朝の職人手配の時間や、夕方の帰社直後は避け、昼前や午後の落ち着いた時間が無難です。担当者が現場に出ていて出られなければ、留守電に「見積の件でご連絡しました。またかけ直します」とだけ残し、詳細は直接話します。

相手の反応への対応

電話で断ると、その場で「いくらなら大丈夫ですか」「もう少し勉強しますよ」と食い下がられることがあります。ここで曖昧に応じると、断ったはずが交渉に戻ってしまいます。すでに発注先が決まっているなら、「今回はもう決定しておりまして」と丁寧に、しかしはっきり伝えてください。

一方で、理由を聞かれたら答えられる範囲で答えます。次回に活かしたいという相手の姿勢は、こちらにとってもありがたいことです。「工期がもう少し短ければ」「〇〇の単価が予算より高めでした」など、他社の金額を明かさない範囲で伝えると、次回の見積の精度が上がります。

通話が終わったら、フォローとして要点をメールで一報しておくと安心です。「先ほどお電話でお伝えしたとおり、〇〇工事は今回見送りとさせていただきます」の一文で十分です。口頭だけだと、担当者間で伝わっていなかったというトラブルが起こります。

電話で「いくらなら大丈夫ですか」と聞かれたとき、即答できるかどうかは自社の実行予算がすぐ引き出せるかで決まります。見積書から実行予算をそのまま登録し、工事別の原価と粗利を画面上でいつでも確認できるのが工事管理システムuconnectです(30日間無料・初期費用0円)。

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見積もりを断るときのNG行動と注意点

見積もりを断るときのNG行動5つ(放置・曖昧な理由・批判・他社情報の開示・値下げのダシ)を×印付きで並べた図

断り方で信頼を落とすパターンは、だいたい決まっています。次の5つは避けてください。

  • 返事をしない・放置する:最も多く、最も嫌われる対応です。相手は職人や材料の枠を押さえて待っています。断る連絡が遅れるほど、相手の損失は大きくなります
  • 理由が曖昧:「諸事情により」「総合的に判断して」だけでは、相手は納得できません。1文でよいので事実を書いてください
  • 相手の見積や会社を批判する:「他社より高すぎる」「内容が雑」といった言葉遣いは、たとえ事実でも書かない・言わないのが鉄則です。伝えるなら「予算と合わなかった」「仕様の方向性が違った」と、こちらの事情に置き換えます
  • 他社の社名や金額を明かす:「A社が〇〇円だったので」と伝えるのは、A社の情報を漏らしていることになります。相見積もりに参加してくれた業者に対する守秘の姿勢として、他社情報は出さないと決めておきましょう
  • 断るふりをして値下げを迫る:「他はもっと安いんだけど」と匂わせて再見積を引き出すやり方は、短期的には効いても、長期的には協力会社の信頼を失います。次のセクションで触れるとおり、建設業法上も問題になり得ます

もう1点、社内の情報共有にも注意が必要です。担当者が断りの連絡を入れたことを、社長や積算担当が知らずに同じ業者へ「あの件どうなった」と聞いてしまうと、相手は混乱します。誰がいつ、どの業者に、どんな理由で断ったかを、見積の管理台帳や案件フォルダに一行残しておくだけで、こうした行き違いはなくなります。

見積もりを断るときに知っておきたい建設業法上のルール

建設業法施行令が定める見積期間(500万円未満は1日以上・5,000万円未満は10日以上・5,000万円以上は15日以上)を3枚のカードで示した図

見積を断ること自体に法律上の問題はありません。見積は「契約の申込みを誘う」段階であり、断っても契約は成立していないからです。ただし建設業には、見積の依頼と断りに関わる独自のルールがあります。とくに元請として協力会社に見積を依頼している会社は、次の3点を知っておくと安心です。

見積期間を守らずに断っていないか

建設業法第20条第3項では、元請負人が下請契約を結ぶ前に、工事内容などの見積条件を提示したうえで、下請負人が見積を行うための一定の期間を設けることが義務付けられています。具体的な期間は建設業法施行令第5条の9(2025年12月の改正前は第6条)で、工事1件の予定価格が500万円未満なら1日以上、500万円以上5,000万円未満なら10日以上、5,000万円以上なら15日以上とされています。やむを得ない事情があるときに限り、10日・15日の期間は5日以内で短縮できます(出典:国土交通省「建設業法令遵守ガイドライン(第12版)」)。

「明日までに見積を出して」と急がせておいて、期限に間に合わなかった業者を「遅い」と断る。こうした運用は、そもそもの見積期間の設定が法令上の要件を満たしていない可能性があります。同ガイドラインでは、「出来るだけ早く」といった曖昧な見積期間の設定や、見積期間を設けずに見積を行わせることは、建設業法違反となるおそれがある行為として挙げられています。断り方以前に、依頼の仕方が適正だったかを振り返る材料にしてください。

他社の見積を理由に減額を求めていないか

「一番安い業者に合わせてくれたら発注する」という交渉は、建設現場では珍しくありません。しかし同ガイドラインでは、複数の業者から出された見積のうち最も低い額を一方的に請負代金とするために、他の業者に対して通常必要な材料費等を著しく下回るおそれのある見積の変更を求める行為は、建設業法違反となるおそれがある事例として明記されています(出典:同上)。

つまり、断る前提で「A社はもっと安い」と迫って再見積を出させ、原価割れの金額を引き出す行為は、単なるマナー違反ではなく法令上のリスクを伴います。相見積もりは、あくまで条件の合う1社を選ぶための手段として使い、他社の金額を武器にした値下げ交渉には使わないのが、法令上も取引上も安全です。

見積費用を請求されることはあるか

見積書の作成費用は、慣行上は無料であることがほとんどです。とはいえ、これは「見積は無料と決まっている」からではなく、業者側が営業活動の一環として費用を負担しているにすぎません。事前に「有償で詳細見積を作成する」と双方で合意していた場合や、見積の前提として測量・地盤調査などの実費を伴う作業を依頼していた場合には、断ったあとに費用を請求される可能性があります。

見積を依頼する段階で、「見積は無償か」「調査費が発生する場合はいくらか」を確認しておけば、断るときにもめることはありません。逆に自社が見積を出す側なら、詳細設計や現地調査に費用がかかる案件では、見積依頼を受けた時点でその旨を伝えておくのが賢明です。

自社の見積もりが断られたときの対応と次につなげる工夫

自社の見積もりが断られたときの3ステップ(お礼を返信→決め手を聞く→実行予算と実績原価を突き合わせる)を示すフロー図

ここまでは「断る側」の話でしたが、建設会社は同時に「断られる側」でもあります。施主や元請に出した見積が通らなかったとき、どう返すかで次の受注確率は変わります。

断りの連絡には必ず返信する

見積を断られたとき、返信せずに終わらせてしまう会社は意外と多いものです。しかし、断りの連絡をくれた相手は、放置ではなく礼儀を尽くしてくれた相手です。短くてよいので、お礼と次回へのお願いを返すのが基本になります。

> ご連絡ありがとうございます。今回はご縁がなく残念ですが、ご検討いただいたことに感謝申し上げます。 > 差し支えなければ、今後の参考のため、決め手となった点をお聞かせいただけますと幸いです。 > また機会がございましたら、ぜひお声がけください。

「決め手を教えてほしい」の一文は、嫌味にならない範囲で入れておくと有益です。予算だったのか、工期だったのか、提案内容だったのか。理由がわかれば、次の見積の組み方が変わります。

「予算で負けた」の中身を分解する

断られた理由で最も多いのは金額です。ただ、「高かった」で終わらせると何も改善しません。分解すると、負け方は大きく3つに分かれます。

  1. 原価そのものが高い:材料の仕入れ単価や外注費が競合より高い。仕入れ先の見直しや発注量のまとめ方で下げられる余地がある
  2. 経費や利益の乗せ方が粗い:現場管理費や一般管理費を一律の掛け率で乗せているため、小規模工事で割高になっている。工事の規模や種類ごとに率を見直す余地がある
  3. 積算の精度が低い:数量の拾い漏れが怖くて安全側に見すぎている、あるいは過去の実績原価がわからず勘で単価を置いている

3つ目は、小規模な建設会社ほど起こりやすい問題です。過去の工事で「実際にいくらかかったか」が集計されていないと、次の見積で根拠のある単価が置けず、高すぎるか安すぎるかのどちらかに振れます。見積の精度を上げるには、工事ごとの実行予算と実績原価を突き合わせて、どの工種で見積と実際がずれるのかを把握するのが近道です。実行予算の考え方は実行予算とはで、原価の内訳は工事原価とはでくわしく解説しています。

断られた案件も記録に残す

受注できなかった見積は、そのまま捨てられがちです。しかし「どの元請に、いくらで出して、どんな理由で断られたか」を残しておくと、半年後には自社の勝ちパターンと負けパターンが見えてきます。「A元請は工期を重視する」「B社の案件は金額勝負になりやすい」といった傾向がわかれば、次に見積を出すときの力の入れどころが変わります。

見積書の書き方そのものを見直したい場合は、建設業の見積書の書き方も参考にしてください。

見積もりの断り方に関するよくある質問

断りの連絡はメールだけで失礼にならない?

材料の相見積もりや、初めての取引先への断りであれば、メールだけで問題ありません。ただし、現地調査や図面の詳細検討まで対応してもらった業者、長年の協力会社に対しては、電話で一報したうえでメールを送るほうが丁寧です。迷ったら「相手がこの案件にどれだけ手間をかけてくれたか」で判断してください。

理由は正直に書くべき?

正直に書くのが基本ですが、「すべてを書く」必要はありません。「予算が合わなかった」「工期が合わなかった」といった事実を1〜2文で伝えれば十分で、他社の金額や社名、相手の見積への評価まで書く必要はありません。嘘の理由を書くと、あとで矛盾が出たときに信頼を失うので避けましょう。「誠に恐縮ですが」「あいにくではございますが」といったクッション言葉を添えれば、短い理由でも角が立ちません。

断ったあとに、やはり頼みたくなったら?

発注先の都合が変わって、断った業者に改めて依頼したいケースもあります。その場合は、前回断ったことを正直に伝えたうえで、事情を説明してお願いしてください。「先日は見送りのご連絡をしたところ恐縮ですが」と一言添えるだけで、印象は大きく変わります。断り方が丁寧だった相手ほど、こうした再依頼にも応じてもらいやすくなります。

断りメールに返信が来ないときは?

断りメールへの返信は義務ではないので、来なくても気にする必要はありません。ただ、相手がメールを見落としている可能性はあります。見積有効期限が近い案件や、相手が予定を押さえていそうな案件では、電話で「先日メールでご連絡しましたが」と確認しておくと確実です。

相見積もりを取ったこと自体を伝えるべき?

見積依頼の時点で相見積もりであることを伝えているのが理想です。伝えていなかった場合でも、断りの際に「複数社で検討した結果」と書くのは問題ありません。隠すより、正直に伝えたほうが相手も納得しやすくなります。なお、相見積もりを依頼する際は、前述の見積期間を各社に確保することも忘れないでください。

見積と原価のデータをひとつにまとめて次の見積精度を上げるには

工事管理システムuconnect(ユーコネクト)のサービス紹介画像

ここまで見てきたとおり、見積を断るときも断られるときも、鍵になるのは「根拠のある金額」と「記録」です。協力会社の見積を断る判断には自社の実行予算という物差しが要りますし、自社の見積が通らなかったときは、実績原価と見比べて初めて次の一手が見えてきます。ところがExcelや紙の見積書が案件ごとに散らばっていると、この突き合わせ自体が月末の大仕事になります。

工事管理システム「uconnect」は、見積・実行予算・原価・請求を工事ごとにひとつなぎで管理するクラウドサービスです。見積書を作成すると、そのまま実行予算として登録でき、日々入力する原価と突き合わせて工事別の粗利をリアルタイムに確認できます。取引先マスタには得意先・仕入先の両方を登録できるので、どの協力会社にいくらで発注したかも工事台帳から追えます。

  • 見積書の作成と実行予算への転記が一度で済み、二重入力がなくなる
  • 工事別の実績原価が自動集計され、「どの工種で見積とずれたか」がすぐわかる
  • 過去工事の原価データが蓄積されるため、次の見積で根拠のある単価を置ける
  • 工事台帳が自動で作成されるうえ、案件ごとに見積のステータス(見積中・受注・失注)が残るため、受注できなかった見積の履歴も含めて案件の記録を振り返れる

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まとめ

見積もりの断り方で押さえるべきことを整理します。

  • 断ると決めたら、その日のうちに連絡する
  • 文面は「感謝→結論→理由→今後のお願い」の4ステップで短くまとめる
  • 理由は1〜2文で事実を伝え、他社の社名・金額・相手への批判は書かない
  • 現地調査まで対応してもらった業者や長い付き合いの協力会社には、電話で一報したうえでメールを残す
  • 元請として見積を依頼する側は、建設業法の見積期間と、他社見積を使った減額要求の禁止を意識する
  • 自社の見積が断られたときは返信し、理由を聞き、実行予算と実績原価の突き合わせで次の見積精度を上げる

断り方は、それ自体が次の取引の入口です。まずは今日届いている見積のうち、返事を保留にしているものから、上の型に沿って一通送ってみてください。

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