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再下請負通知書とは?必要なケースと書き方・記入例をやさしく解説

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元請から「再下請を出すなら通知書を出してね」と言われたものの、何をどこまで書けばいいのか分からず、ひな型を前に手が止まってしまう。建設の現場では、わりとよくある場面です。

再下請負通知書は、下請として請けた工事をさらに別の業者へ出したときに、上位の注文者へ提出する書類です。この記事では、提出が必要になるケースから、記入欄ごとの書き方、二次下請を例にした記入の流れ、施工体制台帳・施工体系図との違い、一人親方の扱いまで、下請として現場に入る立場でつまずきやすいところを実務目線で整理しました。読み終えるころには、自社の現場で誰がいつ何を出せばいいのかを、自分で判断できるようになります。

なお、再下請負通知書は元請がまとめる施工体制台帳の材料になる書類です。「自社が出す通知書」だけでなく、それが現場全体のどこにはまるのかという全体像から押さえておきたい方は、施工体制台帳とは何かをやさしく解説した記事もあわせて読むと、書類どうしのつながりが見えてきます。

再下請負通知書とは?まず押さえる基本

元請から一次・二次・三次下請への重層構造と、各下請が元請へ再下請負通知書を提出し施工体制台帳・施工体系図にまとめられる流れを示したフロー図

再下請負通知書は、下請として請けた工事の一部を、さらに別の建設業者に請け負わせる(再下請する)ときに、自社より上の注文者へ提出する書類です。元請が現場全体の施工体制を正しく把握するために使われます。

正式には「再下請負通知書(さいしたうけおいつうちしょ)」と呼びます。検索では「再下請通知書」と「負」が抜けた形でもよく調べられますが、指している書類は同じです。

なぜこの書類が必要なのか。建設工事は元請から一次下請、一次から二次下請へと、いくつもの会社が連なって動きます。元請の立場からは、自分が直接契約していない二次・三次の業者まではすぐに見えません。そこで、再下請をした各社が「うちは○○社にこの工事を出しました」と通知し、その情報を積み上げて、元請が現場全体の体制図を作る仕組みになっています。

再下請負通知書の定義と目的

この書類のもとになっているのは建設業法です。発注者から直接工事を請けた元請が施工体制台帳を作成しなければならない工事では、下請として入った会社がさらに再下請をしたとき、その内容を元請側の作成建設業者へ知らせる義務があります(出典:建設業法 第24条の8(e-Gov法令検索))。民間工事では一定規模以上の下請契約を締結する特定建設業者が対象になり、公共工事では入札契約適正化法による読み替えで、金額にかかわらず台帳作成義務が広がります。

通知すべき具体的な中身は、建設業法施行規則の第14条の4で定められています(出典:建設業法施行規則 第14条の4(e-Gov法令検索))。目的をひとことで言えば、誰がどの工事を担当し、どんな技術者を置き、社会保険にきちんと入っているかを現場全体で見える状態にすること。安全管理や品質管理、保険加入の確認は、体制が把握できて初めて機能します。

誰が・誰に・いつ提出するのか

提出する人は、下請として請けた工事を、さらに別の業者へ出した(再下請した)会社です。一次下請が二次下請に出せば一次下請が、二次下請が三次下請に出せば二次下請が、それぞれ通知書を作ります。元請が直接契約した一次下請であっても、自社がさらに下へ出せば対象になる点に注意してください。

法令上の通知先は、施工体制台帳を作成する元請側の作成建設業者です。実務では、元請が指定した提出場所や、自社のひとつ上の注文者へ渡して上へ回してもらう運用がよく使われます。一次下請なら元請へ、二次下請なら一次下請を経由して元請へ届く、という流れです。

タイミングは、再下請の契約を結んだら遅滞なく。実務では着工前に出しておくのが基本になります。工事が進んでから体制を整えるのでは、本来の目的を果たせないためです。

再下請負通知書の作成が必要なケース

再下請負通知書が必要になる条件を、公共工事(金額不問)と民間工事(下請総額5,000万円・建築一式8,000万円以上)で比較したインフォグラフィック

再下請負通知書がいるかどうかは、「元請がその工事で施工体制台帳を作る義務を負っているか」で決まります。元請に台帳の作成義務がある工事で、下請が再下請をした場合に通知書が必要になる、という関係です。

施工体制台帳の作成義務とセットで考える

施工体制台帳の作成義務は、工事の種類で線引きが変わります。

  • 公共工事:下請に出す金額にかかわらず、元請に作成義務があります(入札契約適正化法による上乗せ)
  • 民間工事:元請が特定建設業者で、下請代金の総額が 5,000万円以上(建築一式工事は 8,000万円以上)の場合に作成義務が生じます

この民間工事の金額基準は、2025年(令和7年)2月1日施行の政令改正で引き上げられた最新の数字です。直前は4,500万円・7,000万円(さらに以前は4,000万円・6,000万円)でしたので、古い資料の金額のまま判断しないよう注意してください(出典:国土交通省「建設業の各種金額要件や技術検定の受検手数料を見直します」)。

つまり、公共工事に下請で入っていればほぼ通知書が必要になり、民間工事では元請の下請総額が基準を超えるような、ある程度の規模の現場が対象になります。自社の現場に台帳作成義務があるかどうかは、施工体制台帳の作成義務をくわしく解説した記事で金額や対象を整理していますので、迷ったときはあわせて確認してみてください。

提出が不要なケース

逆に、次のような場合は再下請負通知書を出す必要はありません。

  • 再下請をしていない:自社で工事を完結させ、ほかの業者に出していなければ通知の対象になりません
  • 資材の納入や運搬だけ:建設工事の請負契約にあたらない取引(材料を納めるだけ、機械をリースするだけなど)は対象外です
  • 元請に施工体制台帳の作成義務がない小規模工事:そもそも台帳を作らない工事では通知書の仕組みも動きません

判断に迷うのは「再下請をしていないケース」です。再下請がなくても、元請から「再下請なし」と記載した通知書の提出を求められることがあります。後半のよくある質問で書き方を説明します。

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再下請負通知書の書き方と記入例

再下請負通知書の記載内容を「自社に関する事項」「再下請に出した相手」「保険・担当者」の3ブロックで整理したインフォグラフィック

再下請負通知書の様式は、国土交通省が示す標準的なフォーマットを使うのが一般的です。建設業の書類を集めた「グリーンファイル」の一部として、全国建設業協会などの様式集にも収められています。記入欄は大きく分けて、自社の情報、再下請に出した相手の情報、保険や担当者の情報の3つです。

自社(再下請通知をする会社)に関する事項

まず、通知する自社について記入します。会社名(屋号)、住所、電話番号といった基本情報に加えて、次の項目を埋めていきます。

  • 建設業の許可:許可の有無、許可番号、許可を受けた業種、有効期限
  • 工事名称と工事内容:どの現場の、どの部分を担当しているか
  • 工期:着工予定日と完成予定日
  • 現場代理人・主任技術者:現場に置く責任者の氏名と、その権限・意見の申出方法

許可番号や有効期限は、うっかり期限切れのまま書いてしまう事故が起きやすい部分です。提出前に許可証で日付を確認しておくと安心できます。

再下請負関係(出した相手)に関する事項

次に、自社が工事を出した再下請業者の情報を書きます。相手の会社名・住所、建設業許可の番号、契約した工事の内容と工期、現場での責任者などを記載します。

ここが空欄だと、元請は現場に誰が入っているかを把握できません。二次・三次と段が深くなるほど抜けやすいので、契約書を手元に置きながら写すのが確実です。

健康保険等の加入状況・担当者

社会保険の加入状況は、近年とくに厳しく見られる項目です。健康保険・厚生年金保険・雇用保険のそれぞれについて、加入の有無や事業所の整理番号などを記入します。あわせて、雇用管理責任者や安全衛生に関する担当者の氏名も書きます。

外国人技能実習生や特定技能の外国人を現場に入れる場合は、その有無を記載する欄もあります。該当者がいなければ「無」と書けば問題ありません。

記入例:二次下請が書くときの流れ

文章だけだとイメージしづらいので、二次下請の立場で書く場合を例にしてみます。たとえば、A工務店(元請)─B建設(一次下請)─C設備(自社・二次下請)─D工事(三次下請)という体制で、C設備がD工事へ配管工事を出したとします。

このとき通知書を作るのはC設備です。書く順番のイメージは次のとおりです。

  1. 自社(C設備)の欄:会社名・住所・許可番号・有効期限を記入し、担当する工事内容と工期、現場代理人と主任技術者の氏名を書く
  2. 再下請に出した相手(D工事)の欄:D工事の会社名・許可番号、出した工事(配管工事)の内容と工期、D工事側の責任者を書く
  3. 保険・担当者の欄:C設備の社会保険の加入状況、雇用管理責任者、安全衛生の担当者を記入する
  4. 提出先:元請が指定する提出場所へ出す。実務上、C設備から自社のひとつ上の注文者であるB建設(一次下請)へ提出し、B建設が元請のA工務店へ回す流れになることが多い

ポイントは、通知書に書くのはあくまで「自社」と「自社が出した相手」だけという点です。さらに下のD工事がもし別の業者へ出したら、その通知書はD工事が自分で作ります。自分の段から下を全部書こうとして混乱しがちなので、「自社と、自社が直接契約した相手まで」と覚えておくと書きやすくなります。

欄外・変更があったときの書き方

工期が延びた、技術者が交代した、といった変更が出たときは、内容を直して変更届として出し直すのが基本です。最初に出した通知書をそのままにせず、現場の実態と書類を一致させておきます。

記入しない欄を空白のままにすると、書き忘れなのか「該当なし」なのか判別できません。該当する事項がない欄には斜線を引くか「無」と記入して、意図的に空けていることを示すと、差し戻しを防げます。

再下請負通知書の提出方法と添付書類

再下請負通知書が二次下請から一次下請を経て元請へ集約される提出フローと、再下請負契約書の写しなど添付書類のチェックリストを示した図

書き終えたら、元請が指定する提出先へ出します。一次下請が元請へ直接渡すこともあれば、二次下請が一次下請を経由して元請へ届くこともあり、現場のルールによって経路は変わります。いずれにしても、最終的に元請のもとへ情報が集まる形になります。

提出のタイミングは、再下請の契約を結んだ後、現場に入る前が目安です。元請は集まった通知書をもとに施工体制台帳と施工体系図を仕上げるため、着工後に出すと台帳の更新が後手に回ります。新しく業者が増えたとき、技術者が交代したときも、その都度すみやかに出し直すのが基本の運用です。

自社が一次下請のように上位の立場にいる場合は、下にいる業者から通知書を集める側にもなります。現場が立て込むと回収が後回しになりがちですが、自社の通知書に下位の情報がそろわないと、元請へ渡す段階で抜けが出ます。誰にいつ出してもらうかを早めに声がけしておくと、提出直前に慌てずにすみます。

添付書類

通知書には、再下請の契約内容を裏づける書類を添えます。法令上、添付が求められるのは再下請負契約を結んだときの契約書面(当初契約・変更契約)の写しです。公共工事以外では、請負代金額に係る部分を除いた写しで足ります(出典:建設業法施行規則 第14条の4(e-Gov法令検索))。

実務では、これに加えて作業員名簿や、社会保険・労災保険の加入を示す書類などをセットで求められることがあります。元請ごとに必要書類のリストが決まっている現場も多いので、最初に確認しておくと二度手間を避けられます。

電子提出への流れ

最近は、紙の書類をやり取りする代わりに、建設業向けの労務安全書類システムで提出する現場が増えています。代表的な「グリーンサイト」などを使うと、一度登録した会社情報や作業員情報を再利用でき、毎回ゼロから書き写す手間を減らせます。

元請がこうしたシステムを指定している場合は、それに合わせて入力する形になります。自社で紙の様式を整える前に、提出方法が紙か電子かを元請へ確認しておくと、作り直しを防げます。

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再下請負通知書に関する注意点

再下請負通知書の注意点(押印は必須でない・一人親方も対象・施工体制台帳とは役割が違う)を3項目で整理したインフォグラフィック

書き方そのものより、運用で引っかかりやすいポイントを3つ取り上げます。

押印は必須ではなくなっている

以前の様式には押印欄がありました。ただ、行政手続き全体の押印見直しを受けて、国土交通省の標準様式でも押印は必須ではなくなっています。とはいえ、元請会社の社内ルールで押印を求めるケースは残っています。提出先がハンコを必要としているかどうかは、事前に聞いておくと確実です。

一人親方の場合

一人親方であっても、下請として請負契約を結んで現場に入る以上、再下請負通知書の対象になります。元請の施工体制台帳にも記載されるため、「個人だから不要」と考えるのは誤りです。

注意したいのが労災保険の扱いです。一人親方は労働者ではないため通常の労災の対象外ですが、特別加入の制度を使えば労災保険に入れます。現場によっては特別加入を入場の条件にしているところもあるので、加入状況を書類に正しく反映しておきましょう。

施工体制台帳・施工体系図との違い

再下請負通知書とよく混同されるのが、施工体制台帳と施工体系図です。役割が違うので整理しておきます。

書類作る人役割
再下請負通知書再下請をした下請業者自社が出した再下請の内容を上位へ通知する
施工体制台帳元請(作成建設業者)現場に入る全業者・技術者・保険加入をまとめた台帳
施工体系図元請(作成建設業者)台帳の内容を、元請を頂点とした樹形図で示したもの

通知書は下請が「報告するための書類」、台帳と体系図は元請が「全体をまとめるための書類」という関係です。下請各社が出した通知書の情報が、元請の台帳と体系図の材料になります。施工体制台帳そのものの書き方は施工体制台帳とは何かを解説した記事で詳しく扱っています。

再下請負通知書に関するよくある質問

再下請がない場合はどう書く?

自社で工事を完結させ、ほかの業者に出していなければ、本来は通知書を出す必要はありません。ただ、元請が体制を確認する目的で「再下請なし」と記した書類の提出を求めることがあります。その場合は、再下請関係の欄に斜線を引くか「再下請負なし」と明記して、出していないことがはっきり分かるようにします。

空欄のままだと書き忘れと区別がつかず、差し戻しの原因になります。「ない」ことを書類で示すのがポイントです。

出さなかったらどうなる?

再下請負通知書の提出は建設業法にもとづく義務です。出さないまま現場を進めると、元請の施工体制台帳に抜けが生じ、現場全体の法令違反につながりかねません。元請から強く催促されるだけでなく、社会保険の加入確認や安全管理の面でも支障が出ます。

通知書は単なる事務書類ではなく、現場に入るための前提条件と考えておくと、提出忘れを防げます。

様式(ひな型)はどこで手に入る?

決まった用紙を買う必要はありません。国土交通省が示す標準様式をベースに、全国建設業協会や各都道府県の建設業協会が配布する様式集(グリーンファイル)から入手できます。元請がフォーマットを指定している場合や、グリーンサイトなどの電子システムを使う場合は、それに合わせるのが確実です。

自分でExcelのひな型を用意して使い回している会社も多くあります。その場合も、記載項目が国交省の標準様式と合っているか、改正で項目が変わっていないかを、ときどき見直しておくと安心です。

関連する法律はどこを見ればいい?

根拠となる条文は、建設業法第24条の8と、建設業法施行規則第14条の4です。施工体制台帳の作成義務や金額基準とあわせて確認すると、自社にどこまで義務があるかを判断しやすくなります。制度は改正が入ることがあるため、金額や様式は国土交通省の最新情報を見るのが確実です。

下請管理と並行する原価・請求の事務を軽くするには

再下請通知書や施工体制台帳のような法令書類の作成・回収を進めていると、その裏で見積・原価集計・請求といったお金まわりの事務も同時に膨らんでいることに気づきます。書類対応は避けられませんが、それと並行して走るバックオフィス業務をデジタル化すると、現場全体の事務負担を抑えられます。

ここで役立つのが、建設会社向けの粗利管理クラウドソフト「uconnect」です。uconnectは再下請通知書や施工体制台帳そのものを作成するツールではありませんが、工事ごとの売上・原価・粗利をリアルタイムに把握し、見積から請求までを一元管理することで、書類対応に時間を取られがちな事務作業全体を効率化します。

中小の建設会社にとって相性のよいポイントは次のとおりです。

  • 工事ごとに売上・原価・粗利を自動で集計し、採算をリアルタイムに把握できる
  • 原価管理用の工事台帳が自動で作成され、エクセルの転記ミスを減らせる
  • 見積・発注・請求などの帳票を一元管理でき、重複入力がなくなる
  • 弥生・freee・マネーフォワードなどの会計ソフトと連携できる

導入のハードルが低いのも特徴です。初期費用は無料、月額7,920円(税込)から使え、30日間の無料トライアルも用意されています。IT導入補助金から名称が変わったデジタル化・AI導入補助金(2026年〜)の対象にもなっているため、初期コストを抑えて始められます。シリーズ累計の導入は3,000社を突破しました。自社の業務フローに合うかどうかは、導入適合性をチェックできるサービスで事前に確かめられます。

まとめ

再下請通知書(再下請負通知書)は、下請として請けた工事をさらに別の業者へ出したときに、上位の注文者へ提出する書類です。最後に要点を整理します。

  • 提出するのは再下請をした下請業者。元請が指定する提出先へ出し、直近上位の注文者を経由する運用では、最終的に元請の施工体制台帳・施工体系図に反映される
  • 必要になるのは、元請に施工体制台帳の作成義務がある工事(公共工事は金額不問、民間工事は下請総額5,000万円・建築一式8,000万円以上)
  • 記入欄は「自社の情報」「再下請に出した相手の情報」「保険・担当者の情報」の3つ。許可番号や保険の加入状況は契約書・許可証を見ながら正確に
  • 添付書類は再下請負契約書の写しが基本。公共工事以外では請負代金額に係る部分を除いた写しで足りる。元請が指定する書類や電子提出(グリーンサイト等)の有無を先に確認する
  • 押印は必須ではなくなったが、元請の運用によることもある。一人親方も対象で、労災は特別加入で対応する

まずは自社が入る現場に施工体制台帳の作成義務があるかを確認し、再下請を出すときは契約のタイミングで通知書を準備するところから始めてみてください。

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