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未収入金とは?売掛金との違い・仕訳をわかりやすく解説

建設会社向けに未収入金と売掛金との違いや仕訳を解説する記事のアイキャッチ

「売掛金」と「未収入金」、この2つの違いをすぐに説明できるでしょうか。どちらも代金を受け取る権利を表しますが、対象になる取引がまったく違います。本業の工事代金なのか、それとも本業以外の取引で生じたものなのか。ここを取り違えると、決算書が示す会社の本業の姿までゆがんでしまいます。

この記事では、未収入金の定義と発生する場面から、売掛金・未収収益・未払金との見分け方、固定資産の売却などの具体的な仕訳例、そして消費税・相殺・回収で気をつけたい点までを、小規模・中規模の建設会社の実務目線でまとめました。読み終えるころには、手元の未回収代金をどの科目でどう処理すればよいかを、迷わず判断できるようになるはずです。なお、本記事の内容は2026年7月時点の情報にもとづいて解説しています。

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未収入金とは?基本的な定義と特徴

完成工事未収入金(本業)と未収入金(本業以外)の定義・具体例・発生原因を左右で対比したインフォグラフィック

使わなくなった重機を売却したとき、その代金がまだ入金されていない。この未回収の代金を、売掛金として処理すべきか迷ったことはありませんか。工事の請負代金なら売掛金(建設業では完成工事未収入金)ですが、重機の売却代金は本業の取引ではないため、別の科目で管理します。このときに使うのが未収入金です。

未収入金は、日々の仕訳のなかでは登場する頻度こそ多くないものの、取り違えると決算書の区分を誤ってしまう科目です。まずは、未収入金がどのような債権を指すのか、その定義と発生しやすい場面から確認していきましょう。

未収入金の定義

未収入金とは、企業の主たる営業取引以外の取引によって生じた、まだ回収していない金銭債権を指す勘定科目です。「未収金」と呼ばれることもありますが、意味は同じです。

ポイントは「主たる営業取引以外」という部分にあります。建設会社にとっての本業は工事の請負であり、その工事代金の未回収分は売掛金(建設業会計では完成工事未収入金)で処理します。一方、使わなくなった機械や車両を売った代金、社有地の一部を貸して得た賃料など、本業とは別の取引で発生した未回収の代金が未収入金です。

もう1つの特徴は、すでに債権として金額が確定している点です。商品の引き渡しや資産の譲渡が終わり、あとは代金を受け取るだけ、という状態のものを未収入金として計上します。貸借対照表では原則として「流動資産」に区分され、決算日の翌日から1年を超えて回収予定のものは「長期未収入金」など固定資産の区分に振り替えます。

未収入金が発生する主な状況

未収入金は、本業以外でお金を受け取る権利が生じたときに登場します。建設会社で発生しやすいのは、次のような場面です。

  • 固定資産を売却したとき:使わなくなった重機・車両・工具などを売り、代金が後日入金になるケース
  • 有価証券を売却したとき:保有していた株式などを売却し、受渡代金が未回収のケース
  • 不動産を賃貸したとき:所有する土地・建物・駐車場を貸し、賃料が未入金のケース
  • 本業以外のサービスで対価が生じたとき:他社への一時的な機材レンタル料、スクラップ(金属くず)の売却代金など

いずれも「工事を請け負って得た代金ではない」という共通点があります。逆にいえば、工事の請負代金であれば、たとえ入金が遅れていても未収入金ではなく完成工事未収入金(売掛金)で処理します。この線引きが、未収入金を正しく使う出発点になります。

建設業会計での位置づけ

建設業には、一般会計とは異なる専用の勘定科目があります。売上は完成工事高、売上原価は完成工事原価、そして本業の売掛金にあたるのが完成工事未収入金です。未収入金はこの専用科目の対象外、つまり本業(工事)以外の債権を受け止める科目という位置づけになります。

一般会計・建設業会計での区分使う科目具体例
本業(工事)の未回収代金完成工事未収入金(売掛金相当)工事の請負代金
本業以外の未回収代金未収入金重機の売却代金・賃料など

工事にまつわる原価や前受金の扱いは未成工事支出金の記事でも触れています。あわせて確認すると、建設業会計の科目の全体像がつかみやすくなります。

未収入金と混同しやすい勘定科目

売掛金・未収入金・未収収益・未払金の資産負債区分と取引の違いを整理した比較表

未収入金は、名前や性質の似た科目と取り違えやすいのが難点です。特に売掛金・未収収益・未払金の3つは、実務でも迷いやすいところです。まずは違いを一覧で押さえ、そのうえで1つずつ確認していきます。

科目資産/負債どんな取引か具体例
売掛金資産本業の営業取引による未回収代金工事請負代金・商品販売代金
未収入金資産本業以外の取引による未回収代金固定資産・有価証券の売却代金
未収収益資産継続的な役務提供で、時の経過に応じ発生した未請求の収益貸付金の未収利息・受取家賃の未収分
未払金負債本業以外の取引による未払いの代金備品購入代金の未払い分

売掛金との違い

未収入金と売掛金は、どちらも「代金を受け取る権利(資産)」である点は共通しています。違いは、その取引が本業かどうかの一点です。

売掛金は、商品の販売やサービスの提供といった主たる営業取引から生じた未回収代金を指します。建設会社であれば工事の請負代金がこれにあたり、建設業会計では完成工事未収入金という専用科目を使います。これに対して未収入金は、固定資産の売却や不動産の賃貸など、本業以外の取引で生じた債権です。

たとえば、建設会社が施主から受け取る工事代金は売掛金(完成工事未収入金)、同じ会社が古いショベルカーを下取りに出した代金は未収入金、というように分かれます。決算書を見る人は、この区分から「本業でどれだけ売り上げ、どれだけ回収待ちなのか」を読み取ります。だからこそ、両者を混同すると本業の売上規模を正しく示せなくなってしまいます。

未収収益との違い

未収入金とよく似た響きの科目に、未収収益があります。この2つは、債権として金額が確定しているかどうかで区別します。

未収入金は、資産の引き渡しなどがすでに完了し、代金請求権が確定した債権です。一方の未収収益は、貸付金の利息や不動産の賃料のように、時の経過に応じて少しずつ発生する収益のうち、まだ支払期日が来ておらず請求できていない部分を指します。会計期間の途中で区切って計上する「経過勘定」の1つで、当期に対応する分だけを見越して計上するのが特徴です。

たとえば、3月決算の会社が1月に土地を貸し始め、賃料を半年ごとに後払いで受け取る契約だとします。3月末の時点でまだ請求日が来ていなくても、1〜3月の3か月分の賃料は当期の収益なので、未収収益として計上します。同じ賃料でも、すでに請求日が到来して金額が確定した未回収分は未収入金になる、という違いです。

未払金との違い

未払金は、これまでの3つと違い負債の科目です。未収入金とはちょうど反対の関係にあります。

未収入金は本業以外の取引で「お金を受け取る権利」(資産)、未払金は本業以外の取引で「お金を支払う義務」(負債)です。たとえば、事務所のパソコンを後払いで購入したときの未払い代金は未払金、逆に自社の中古備品を売って代金が未回収なら未収入金になります。取引の向きが逆と覚えておくと、貸借を取り違えにくくなります。

未収入金の仕訳方法

資産の引き渡し→未収入金の計上→入金・消し込みという仕訳の3ステップを示したフロー図

未収入金の仕訳は、「本業以外で資産を引き渡し、代金は後日受け取る」という流れをそのまま帳簿に落とし込むだけです。ここでは、建設会社で起こりやすい場面を例に、発生から入金までの仕訳を具体的に見ていきます。

発生時と入金時の基本の仕訳

もっとも基本的な形は、本業以外の売却などで代金請求権が生じたときに未収入金を借方に立て、実際に入金されたときに消し込む、という2段階です。

たとえば、不要になった工具一式を20万円で売却し、代金は翌月末に受け取る約束をしたとします。売却時の仕訳は次のようになります。

“` (借方)未収入金 200,000  (貸方)工具器具備品 200,000 “`

翌月末に代金20万円が普通預金に入金されたときは、未収入金を取り崩します。

“` (借方)普通預金 200,000  (貸方)未収入金 200,000 “`

このように、発生時に立てた未収入金を、入金時に同額で減らすのが基本の流れです。残高が残っていれば「まだ回収できていない本業以外の債権がある」ことを表します。

固定資産を売却したときの仕訳

実務でよく出てくるのが、重機や車両など固定資産の売却です。先ほどの工具の例は、売却価額と帳簿価額が等しく損益が出ないケースでした。ただ実際には、売却価額と帳簿価額(取得原価から減価償却累計額を差し引いた残り)に差が出ることがほとんどで、その差額を固定資産売却損益として処理します。

たとえば、帳簿価額80万円の重機を100万円で売却し、代金は後日入金とするケースを考えます。売却価額のほうが帳簿価額より高いため、差額の20万円が固定資産売却益になります。

“` (借方)未収入金 1,000,000  (貸方)機械装置 800,000 (貸方)固定資産売却益 200,000 “`

反対に、帳簿価額80万円の重機を60万円でしか売れなかった場合は、差額20万円が固定資産売却損です。

“` (借方)未収入金 600,000  (貸方)機械装置 800,000 (借方)固定資産売却損 200,000 “`

売却代金そのものは未収入金として資産に計上し、儲けや損は売却損益で別に把握する、という組み立てです。減価償却の期中計算など細かな論点はありますが、まずはこの骨格を押さえておくと応用が利きます。

不動産賃貸や本業以外の収入の仕訳

社有地の一部を月極駐車場として貸している、といったケースでも未収入金は登場します。すでに請求日が到来した賃料が未入金であれば、未収入金で処理します。

たとえば、駐車場の当月分の賃料5万円について、請求済みだが入金がまだ、という状態の仕訳です。

“` (借方)未収入金 50,000  (貸方)受取地代 50,000 “`

金属スクラップの売却代金や、他社への一時的な機材レンタル料なども、本業(工事)以外で生じた確定債権であれば同じ考え方で未収入金として計上します。工事代金かどうかで科目が分かれる、という原則をここでも徹底することが大切です。

工事ごとに発生する売上・原価・請求・入金がバラバラだと、どの工事の代金が回収済みかを追うだけでもひと苦労です。工事台帳の単位で請求から入金までを一元管理し、本業の債権の回収状況をリアルタイムに把握できるのが工事管理システムuconnectです(シリーズ累計3,000社突破)。

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未収入金の会計処理における注意点

未収入金の会計処理の注意点(発生主義・消費税は引渡し時・1年基準)を3項目で示した図

未収入金は、計上のタイミングや消費税の扱いを誤ると、期間損益や納税額に影響します。件数が少ない科目だからこそ、処理の型を決めておかないと、決算のたびに判断に迷いがちです。ここでは特に間違えやすい3点を整理します。

発生主義に基づく計上タイミング

会計では、実際の入金を待たずに、取引が成立して債権が確定した時点で収益や資産を認識します。これが発生主義の考え方です。未収入金も、代金を受け取ったときではなく、資産を引き渡すなどして代金請求権が確定した時点で計上します。

たとえば重機を売却したなら、引き渡した日に未収入金を立てるのが原則です。入金があるまで何も記帳しないでいると、決算日をまたいだときに「本来は当期に計上すべき債権が帳簿に載っていない」という漏れが起きます。発生の都度、その場で記帳する習慣が、計上漏れを防ぐ何よりの対策になります。

消費税の扱い

見落とされがちなのが、消費税の認識時期です。課税資産(機械や車両など)を売却した場合、消費税は代金を回収した時ではなく、原則として資産を引き渡した時に課税売上として認識します。未収入金として資産に計上している段階でも、その譲渡が課税取引であれば、譲渡日の属する課税期間の売上として消費税の計算に含めます。

なお、土地の譲渡や貸付けは非課税取引にあたりますが、1か月未満の土地の貸付けや、駐車場など施設の利用に伴う土地の使用は非課税取引には当たりません。取引の種類によって課税・非課税が分かれます(出典:国税庁タックスアンサー No.6201 非課税となる取引)。未収入金の元になった取引が課税なのか非課税なのかを、計上時に確認しておくと、申告時の計算がスムーズです。

決算時の表示

決算では、未収入金を貸借対照表のどこに表示するかにも注意します。原則は流動資産ですが、決算日の翌日から起算して回収期限が1年を超えるものは、固定資産(投資その他の資産)に区分します。これを「1年基準(ワン・イヤー・ルール)」と呼びます。

長期にわたって回収する取り決めの未収入金を流動資産に載せたままにすると、短期に回収できる資産を実際より多く見せてしまいます。決算のたびに、回収予定が1年以内かどうかを1件ずつ確認し、必要なら長期未収入金へ振り替えておきましょう。

未収入金と買掛金の相殺について

未収入金50万円と買掛金30万円を相殺し差額20万円を決済する相殺の仕組みを示した図

同じ取引先に対して、未収入金(受け取る権利)と買掛金や未払金(支払う義務)の両方があるとき、両者を差し引きして決済することがあります。これが相殺です。入出金の手間を減らせる便利な方法ですが、要件を満たさないまま処理すると後々のトラブルになりかねません。

相殺の条件

相殺は、民法で定められた要件を満たして初めて有効になります。基本となるのは、当事者双方が互いに同じ種類の債権(通常は金銭債権)を持ち、その両方が支払期日を迎えているという状態です(出典:e-Gov法令検索 民法第505条)。

たとえば、A社に対して未収入金50万円があり、同じA社への買掛金が30万円あるとします。双方の支払期日が来ていれば、30万円分を相殺し、差額の20万円だけを実際にやりとりする、という決済ができます。ただし、契約で相殺を禁止している場合や、相手方の同意が前提となる場面もあるため、勝手に相殺してよいかは事前の確認が欠かせません。

相殺手続きの流れ

相殺を実務で進めるときは、次のステップで整理すると漏れがありません。

  1. 同じ取引先への債権(未収入金など)と債務(買掛金・未払金など)の残高を突き合わせる
  2. 双方の支払期日が到来しているか、相殺を禁止する取り決めがないかを確認する
  3. 相殺する旨と金額を書面(相殺通知書など)で相手方に通知し、記録を残す
  4. 相殺後の差額をどちらが支払うかを確定し、決済する

口頭だけで済ませると、後日「相殺した・していない」の認識がずれる原因になります。金額と対象をお互いに確認できる形で残しておくことが、トラブル防止のポイントです。

相殺時の仕訳例

先ほどのA社の例で、未収入金50万円のうち30万円を買掛金と相殺したときの仕訳を見ておきます。

“` (借方)買掛金 300,000  (貸方)未収入金 300,000 “`

この仕訳で、買掛金30万円と未収入金30万円が同時に消え、残った未収入金20万円だけが後日回収の対象として帳簿に残ります。相殺は現金の動きを伴わない決済なので、通帳には表れません。だからこそ、仕訳と通知書をセットで残しておくと、残高の根拠を後から説明しやすくなります。

未収入金の回収と貸倒れへの備え

未収入金の回収の流れ(入金確認→督促状→消滅時効の注意→貸倒損失)を示した4ステップ図

未収入金は、放置すると回収が難しくなる債権です。特に本業以外の取引は継続的な付き合いが薄いこともあり、うっかり請求を忘れると、そのまま滞留してしまいがちです。回収の進め方と、万一回収できないときの備えを押さえておきましょう。

催促・督促の進め方

入金予定日を過ぎても振り込みがない場合は、早めに動くほど回収の可能性が高まります。まずは電話やメールで入金状況を確認し、行き違いがないかを確かめます。それでも支払われないときは、支払期限と金額を明記した督促状を書面で送ります。

  • 入金予定日の翌営業日には、まず担当者へ入金確認の連絡を入れる
  • 反応がなければ、金額・期日・振込先を明記した督促状を送付する
  • 支払いの意思や事情を聞き取り、必要なら分割など現実的な回収案を相談する

大切なのは、滞納が発生したら段階を追って記録を残しながら進めることです。いつ・どのように催促したかの記録は、後述する貸倒れの処理や、法的手段を検討する際の裏づけにもなります。

消滅時効に注意する

債権には、一定期間放置すると請求できなくなる消滅時効があります。2020年4月1日に施行された改正民法により、債権の消滅時効は「権利を行使できることを知った時から5年」または「権利を行使できる時から10年」のいずれか早いほうに統一されました。通常の取引の未収入金であれば、支払期日が分かっているため、原則5年で時効にかかると考えておくのが安全です(出典:e-Gov法令検索 民法第166条)。

改正前にあった職業別の短期消滅時効(工事代金は3年など)は廃止されましたが、施行日より前に生じた債権には改正前のルールが適用される場合があります。古い未回収の債権が残っている場合は、いつ発生したものかを確認しておきましょう。時効は、請求(裁判上の請求など)や相手方の債務承認によって更新(リセット)できるため、滞留させず早めに動くことが結果的に時効対策にもなります。

回収不能になったときの処理

督促を尽くしても回収できず、取引先の倒産などで回収の見込みがなくなった場合は、貸倒損失として費用に計上します。ただし、貸倒損失として損金に算入できるのは、法律上の債権が消滅した場合や、回収不能が客観的に明らかな場合など、国税庁が示す一定の要件を満たすときに限られます(出典:国税庁タックスアンサー No.5320 貸倒損失として処理できる場合)。

回収不能が確定する前でも、将来の貸倒れに備えて貸倒引当金を計上しておく方法もあります。自己判断で安易に貸倒処理をすると税務調査で否認されることもあるため、判断に迷うときは顧問税理士に相談しながら進めると安心です。

未収入金の管理方法

事務所で経理担当者がノートパソコンの残高一覧と請求書を照らし合わせて確認している作業風景

未収入金は件数こそ多くないものの、1件あたりの金額が大きくなりやすい科目です。回収漏れや計上漏れを防ぐカギは、日々の記録と定期的な確認を仕組みにしておくことにあります。

発生主義で記録し、補助科目で分ける

まず徹底したいのは、債権が確定した時点でその場で記帳することです。「入金されたら記帳しよう」と後回しにすると、決算をまたいだときに計上漏れが起きます。発生の都度、未収入金として立てておけば、帳簿の残高がそのまま「回収待ちの本業以外の債権」を表します。

さらに、未収入金を1つの科目でまとめてしまうと、「どの取引の、いくらが未回収か」が見えなくなります。取引先ごと・案件ごとに補助科目を設定して分けておけば、残高を内訳まで分解でき、回収の管理がしやすくなります。

定期的な残高確認と与信管理

未収入金は、月次で残高を確認し、入金予定を過ぎたものがないかをチェックする運用が基本です。滞留している債権を早く見つけるほど、回収の手を打つ余地が残ります。

  • 月末ごとに未収入金の一覧を出し、入金予定日を過ぎたものを洗い出す
  • 取引先ごとに残高を確認し、特定の相手に偏っていないかを見る
  • 新しく大きな取引をする前に、相手の支払い能力(与信)を確かめておく

回収は「起きてから対応する」より「起こさないよう備える」ほうが負担は小さくて済みます。取引先の状況を定期的に見ておくことが、未収入金を滞留させない土台になります。

会計ソフト・システムを活用する

取引の件数が増えてくると、Excelや手作業での管理には限界が出てきます。入力の二度手間や転記ミス、更新の遅れが、そのまま残高のズレや請求漏れにつながります。

そこで有効なのが、会計ソフトや、請求・入金の状況をまとめて管理できるシステムの活用です。誰が見ても同じ最新の残高を確認できる状態にしておけば、月次の確認も回収の判断も速くなります。建設会社の場合、本業の完成工事未収入金(売掛金)と、本業以外の未収入金の両方を、取引先単位で見渡せるようにしておくと、債権全体の管理がぐっと楽になります。

未収入金に関するよくある質問

未収入金と売掛金の違いは何ですか?

取引が本業かどうかで区別します。売掛金は、商品の販売やサービスの提供といった主たる営業取引による未回収代金で、建設会社では工事の請負代金(完成工事未収入金)がこれにあたります。未収入金は、固定資産の売却や不動産の賃貸など、本業以外の取引で生じた未回収代金です。どちらも代金を受け取る権利(資産)である点は共通していますが、決算書ではこの区分によって本業の売上規模の見え方が変わるため、正しく分ける必要があります。

未収入金の消滅時効は何年ですか?

2020年4月施行の改正民法により、債権の消滅時効は原則として「権利を行使できることを知った時から5年」に統一されました。通常の取引で発生した未収入金は支払期日が分かっているため、5年で時効にかかると考えておくのが安全です。ただし、施行日より前に発生した債権には改正前のルールが適用される場合があります。時効は裁判上の請求などや債務の承認によって更新できるので、滞留させず早めに回収を進めることが大切です。

未収入金がマイナス残高になることはありますか?

通常はありません。未収入金は資産科目のため、借方(プラス)に残高が立つのが正常な状態です。もし貸方にマイナス残高が生じている場合は、二重に入金を計上している、入金の消し込み先の科目を間違えている、といった記帳ミスが疑われます。マイナスに気づいたら、発生時と入金時の仕訳を突き合わせて原因を確認しましょう。

請求から入金までをまとめて管理するには

未収入金にせよ売掛金にせよ、回収漏れや残高のズレは、Excelや手作業で請求・入金を管理していると起きやすくなります。特に工事の件数が増えるほど、「どの工事の、どの請求が、入金済みなのか」を追いきれなくなりがちです。

この工事別の請求・入金管理を効率化できるのが、工事管理システム「uconnect」です。工事台帳の単位で売上・原価・粗利をまとめ、請求書の発行から入金の消し込みまでを一元管理できます。請求ステータス(未請求・請求済・入金済)が可視化されるため、本業の債権である完成工事未収入金(売掛金)の回収状況をリアルタイムに追えます。uconnectは会計ソフトそのものではなく、仕訳・記帳は弥生会計・freee・マネーフォワードクラウドなどの会計ソフトへ連携する形で、管理会計(工事別の採算)と財務会計(仕訳)を橋渡しする役割です。

  • 工事別に売上・原価・粗利をリアルタイムに自動集計し、工事台帳も自動で作成できる
  • 請求書の発行から入金の消し込みまでを管理し、請求ステータスで回収状況を追える
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初期費用は無料、月額7,920円(税込)からで、30日間の無料トライアルも用意されています。通常の月額利用は月単位で利用できますが、2026年時点でデジタル化・AI導入補助金を利用する場合は、2年分のクラウド利用料が対象となり、契約後の途中解約はできない条件が示されています。補助率や補助額は申請枠・事業者区分・導入内容によって変わるため、最新条件は公式サイトで確認しましょう。導入前に、自社の業務フローに合うかどうかのマッチ度を確かめられるチェックも受けられます。

まとめ:未収入金を正しく理解しよう

未収入金は、本業以外の取引で生じた、まだ回収していない金銭債権を管理する勘定科目です。建設会社にとっては、工事代金の未回収(完成工事未収入金)と、重機の売却代金や賃料など本業以外の未回収(未収入金)を分けて把握するための、区分の目印になります。

最後に、実務で押さえておきたいポイントを整理します。

  • 未収入金は「本業以外」の未回収代金。本業(工事)の未回収は売掛金=完成工事未収入金で処理する
  • 売掛金・未収収益・未払金との違いは、「本業かどうか」「確定債権か経過勘定か」「資産か負債か」で見分ける
  • 固定資産の売却では、売却代金は未収入金、儲けや損は固定資産売却損益で別に把握する
  • 消費税は入金時ではなく資産の引き渡し時に、決算では1年基準で流動・固定を区分する
  • 回収は早めの督促が基本。消滅時効(原則5年)に注意し、回収不能時は要件を満たせば貸倒損失で処理する

まずは、いま帳簿に残っている未収入金が「いつ・どの取引で発生し、いつ回収予定か」を1件ずつ確認するところから始めてみてください。本業と本業以外の債権を分けて見える化しておくほど、決算の正確さも、回収の判断も、確実に楽になります。

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